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三井住友フィナンシャルグループ、サステナビリティ・ソリューションで「グリーンイノベーター」立ち上げ。AIや衛星画像分析で、海外事業法人の洪水リスク等の定量的把握等を提供(RIEF)

2021-07-27 16:45:50

SMBC3キャプチャ

 

 三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は27日、サステナビリティ関連のソリューションを提供する「SMBCグループ・グリーンイノベーター」を立ち上げた。同取り組みはAI技術と衛星画像等を活用して、気候変動の激化で多発する水災(洪水)リスクを全世界的に、定量把握するサービスを海外の事業法人等に提供する全世界的敵に予測するサービスを提供するもの。すでに2件の取り組みがあるとしている。

 

 SMBCは昨年、自らのグループが抱える投融資先の気候リスクを分析、水災等の物理リスクについて300億~400億円と推計した。同推計に使ったシナリオ分析をさらに高度化し、「グリーンイノベーター」でソリューションビジネスとして外部に提供する。

 

 気候リスク分析の精緻のため、米スタートアップ企業のJupiter Intelligence社が保有するAI技術の活用のほか、MS&ASインターリスク総研と協働することで、ハザードマップ等がない海外地域においての水災リスクを、定量的に把握できる手法を開発した。

 

SMBC001キャプチャ

 

 これらの分析手法を、途上国等で事業活動を展開する国内企業の海外事業法人向けに提供していく考えだ。気候データに乏しい途上国等に進出している企業等の立地対策等での気候適応対策として活用されるとみられる。

 

 SMBCが国内の事業法人を対象とした気候変動による洪水発生確率の分析結果に、海外事業法人を対象とした分析を合わせると、2050年までに想定される同行の取引先の物理リスク関連の与信費用増加額の累計は550億~650億円程度と試算される。

 

 また「グリーンイノベーター」では、日本総合研究所との共同取り組みとして、「SMBCサステナビリティ優先課題特定ツール」も開発、提供する。これは顧客ごとに、当該企業がサステナビリティに取り組む優先課題を特定し、効果的なサステナビリティ対応を引き出そうという狙いだ。

 

 SMBCの営業担当が、顧客企業の属性等を企業の担当者との対話の中で把握することで、顧客企業に適したサステナビリティの優先課題の候補や、他社の取り組み事例、関連するSDGsのゴール等を自動的にメニューとして提示できるという。顧客企業のサステナビリティ課題を特定することで、その達成に向けた投融資等の需要の掘り起こしにもつながる。

https://www.smfg.co.jp/news/j110319_02.html