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三井住友銀、政投銀、CAMPFIRE、法務省主導の非行少年の再犯・再非行防止のためのソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)に資金提供。再犯防止の国主導SIBは初(RIEF)

2021-08-31 22:43:17

CAMPFIREキャプチャ

 

 三井住友銀行、日本政策投資銀行、CAMPFIREの3金融機関は31日、法務省が主体で、非行少年の再犯防止のための学習支援をする「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)」に資金供給をすると発表した。少年院に在院中の少年のうち学習意欲のある者を、在院中、出院後を通じて学習支援することで再犯・再非行を防止し、社会的な効果を上げることを目指す。わが国で再犯防止目的のSIBスキームが導入されるのは初めて。

 

 (写真は、CAMPFIREのサイトから)

 

 SIBは、行政から民間へ事業委託する手法の一つ。成果連動型民間委託契約とも呼ぶ。2010年に英国で初めて導入された。英国でも刑務所入所者の再犯防止のため、職業訓練とは別に、対象者に対して、入所中・出所後に外部機関が心理面等の指導や教育活動を行って再犯を防ぐことで、犯罪を減少させ、社会的なコストを削減しようという仕組みだ。

 

 三井住友銀、政投銀、CAMPFIRE(クラウドファンディング)の3機関は、法務省から委託を受けた事業者に再犯・再非行防止のための事業活動資金を提供する。三井住友は変動金利型の融資を、政投銀は、あおぞら銀行を信託受益者とした信託受益権投資型スキームで提供、CAMPFIREは融資型クラウドファンディングで、月1000円を拠出する支援者125人を募集する。

 

 「公文式」の学習塾を運営する公文教育研究会を代表とする共同事業体が法務省から事業を受託した。学習支援事業のキズキ(東京)と一般社団法人もふもふネット(大阪市)が加わる。事業内容は、少年院に在院する少年少女のうち学習を希望する80人を対象に、在院中に学習支援計画を作成。公文の教材やノウハウを使って学びを支援する。出院後も最長1年間、学習支援や生活相談を継続し、対象者は週に1回、キズキや、もふもふネットの学習拠点に通って、自立を目指す。

 

 受講者の学習評価については、学習支援の継続率や再犯リスクを測るスコアの低下率等の6つの指標で評価し、その成果に応じて法務省からの事業への支払い額が変動する。最大支払額は23年度までの総額で7122万円。学習効果が低いと判断された場合は、支払額が減額される。

 

 わが国では2015年に日本財団によるパイロット事業として横須賀市で特別養子縁組の推進事業に適用されたほか、2017年にはヘルスケア分野におけるSIBが八王子市と神戸市で本格導入された。現在は世界の25か国で108案件の多様な取り組みが行われている。

 

 上川陽子法相は31日の閣議後の記者会見で、再犯・再非行防止のSIB事業を実施することについて「再犯防止分野で民間資金の提供を呼び込んでいくうえで非常に大きな意義があると考えている。成果をしっかり上げていきたい」と述べている。

https://www.smbc.co.jp/news/j602389_01.html

https://www.dbj.jp/topics/dbj_news/2021/html/20210831_203491.html

https://community.camp-fire.jp/projects/73714/activities/220527#menu

https://www.moj.go.jp/content/001318667.pdf