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日産自動車、総額2000億円の国内では過去最大規模のグリーンローン調達。電気自動車(EV)投資加速を目指す。みずほ銀行が内外金融機関によるシンジケーション団を組織(RIEF)

2022-12-01 17:37:41

Nissanキャプチャ

 

 日産自動車は11月30日、同社初となるグリーンローン2000億円を、みずほ銀行をアレンジャーとする国内シンジケーション団から借り入れる契約を結んだと発表した。ローンは、期間5年と同7年の2件の契約期間で、日産が進めるの長期的な電動化戦略およびカーボンニュートラルの実現に向け、電気自動車(EV)等のゼロ・エミッションモビリティ事業に活用するとしている。国内で調達されるグリーンローンとしては、これまでで最大規模。

 

 (写真は日産の電気自動車「日産アリア」)

 

 日産は7月にサステナブル・ファイナンス・フレームワークを策定しており、今回が同フレームワークの適用を受ける初のサステナブルな資金調達となる。調達するグリーンローンは、みずほ銀行を主幹事に、三菱UFJ銀行を副主幹事とする内外の金融機関によってシ団を編成する。融資は5年物と7年物の2種類に分かれる。

 

 資金使途は、再生可能エネルギーの利用、クリーンな生産システム、EV用の充電インフラ、バッテリーの二次利用、自動運転技術などの幅広いプロジェクトに充当する予定。資金使途等の妥当性については、国際的なプロジェクトローンを取り扱う金融機関組織のLoan Market Association、Asia Pacific Loan Market Association 、The Loan Syndications and Trading Associationの3団体が公表するグリーンローン原則への整合性を、ESG評価機関のSustainalyticsが付与している。

 

 日産は、2021年11月に公表した長期ビジョン「日産アンビション2030」によって、2030年度までに車種ベースで全体の5割をEV等の電動車にする目標を掲げている。この目標実現のため、26年度までに総額2兆円を電動化事業に投資する方針で、今回のグリーンローンでの資金調達はその一環となる。

 

 グリーンローンは通常の貸出と同様に、金融機関と借り手企業の間の2者間契約なので、これまで国内でのグリーンローンは、融資額や期間等の情報開示を伴わない事例が少なくなく、「グリーン性」に疑念の残るものもあった。今回の日産の場合は、借入規模が大きいためシンジケートローンとしたこともあって、借入額、期間等を開示できた。ただ、融資金利条件は非開示にした。

 

 シ・ローンのアレンジャーを務める、みずほ銀行は、「日産が目指す『よりクリーンで、安全で、インクルーシブな、誰もが 共生できる世界の実現』をファイナンス面から支援すべく、日産のサステナブル・ファイナンス・フレームワークに合致する適格グリーンプロジェクトのうち、電気自動車(BEV)等ゼロエミッション車の車両及び構成部品に対する研究開発・投資・支出を対象にローンを組成した」と説明している。

https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-48b4dcee3ca553fae7e18a40fe024c80-221130-01-j

https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20221130release_jp.pdf