MUFG、SMBCなど6金融機関。大阪ガスに「トランジション・リンク・ローン」合計300億円を融資。2030年度までにCO2排出量500万㌧削減を目標。金利や融資期間等は公表せず(RIEF)
2024-09-12 12:18:06
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三井住友フィナンシャル・グループ(SMBC)等の6金融機関は11日、大阪ガスに対してトランジション・リンク・ローン(TLL)として合計300億円を融資した。大阪ガスは調達資金で、2030年までのグループ全体のCO2排出量(スコープ1~3)を500万㌧削減(2017年度比)を目指すとしている。リンクローンなので目標を達成できない場合は、金利の引き上げ等で対応するとしている。
大ガス向けTLL金融団に参画したのは、MUFGとSMBCの銀行2グループのほか、住友、第一、大樹、大同、明治安田の5生命保険会社。MUFGはシンジケートローンとして融資し、SMBCと生保各社はそれぞれ相対融資とする。両融資の比率や、金利、融資期間などは公表されていない。
大ガスは今年5月にグリーン/トランジションファイナンスフレームワークを設定しており、今回の国内金融団からの借り入れは同フレームワークに基づく。CO2排出削減のための資金使途としては、グループでの再エネ事業による電源の脱炭素化のほか、水素を利用したメタネーションを軸にする都市ガス原料の脱炭素化等に充当するとしている。

再エネ事業では太陽光、風力、バイオマス発電の3事業を対象とする方針。ガス原料の脱炭素化では、既存の石炭・石油利用の燃料を、CO2排出量が相対的に少ない天然ガスに切り替える。燃料転換はさらに2050年に向け、e-メタン、バイオガスに移行し、カーボンニュートラルにつなげるとしている。水素・アンモニア燃焼技術の開発も対象とする。
同社のフレームワークに対しては、ノルウェー本社の評価機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパンが国際資本市場協会(ICMA)等の基準への適合性についてのセカンドオピニオンを付与している。
同社は、TLLでの資金調達は都市ガス業界では初めてとしている。今回の条件設定では、リンクローンの目標(SPT)を達成できない場合のペナルティとして、「将来の金利条件を変更」として、金利の「ステップアップ」方式を採用するとした。この点で、日本企業のリンクローン・リンクボンドに多い「寄付」や「クレジット購入」などの「意味不明なペナルティ」とは一線を画した点は評価できる。金融機関にとって、「寄付」等では貸し手にとって何のメリットも生じないことから、金利調整を確約させたといえる。ただ、金利引き上げの幅等については公表していない。
またリンクする重要業績指標(KPI)について、同社のCO2のスコープ1~3全てを対象とした点も一定の評価はできよう。しかし、スコープ1~3の削減配分などは示していない。また「2030年度までの500万㌧削減」は、基準年とする2017年度の総排出量3200万㌧の15.6%でしかない。「達成可能」な範囲でのKPI目標であり、同社には大幅な追加達成を求めたい。
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2024/1780711_56470.html

































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