HOME |三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)。脱炭素の「ネットゼロ銀行同盟(NZBA)」から離脱へ。三井住友FGや野村HDに次ぐ。トランプ政権の「圧力」は米銀向けなのに(?)(各紙) |

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)。脱炭素の「ネットゼロ銀行同盟(NZBA)」から離脱へ。三井住友FGや野村HDに次ぐ。トランプ政権の「圧力」は米銀向けなのに(?)(各紙)

2025-03-18 14:31:37

MUFG001キャプチャ

 

 各紙の報道によると、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、銀行の脱炭素化を推進するための国際的連合の「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」から離脱する方針を固めたという。国連主導の同機関からの離脱は、米銀やカナダ、オーストラリアの主要銀行が相次ぐが、日本の金融機関としては三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、野村ホールディングスに次ぐ3社目。MUFGはNZBAのアジア・太平洋地域を代表する形で、NZBAのステアリングコミッティのメンバーにも選ばれている。

 

 Bloombergが報じた。同メディアは複数の関係者からの情報としている。それによると、MUFG社は今月中にも離脱を通知する方針としている。離脱の理由について、同メディアは北米を中心に主要金融機関の脱退が相次いでおり、加盟を続けるメリットが薄くなっていることが背景にあるとみられる、と説明している。

  MUFGの離脱で、NZBAに加盟している日本の金融機関は、みずほフィナンシャルグループ、三井住友トラストグループ、農林中央金庫の3金融機関となる。

 MUFGは2021年6月に、日本の銀行として初めてNZBAに加盟した。NZBAでは、加盟金融機関の中から地域ごとに選出される12の金融機関で構成されるステアリンググループに唯一の日本の金融機関として選出され、NZBAの運営にも関与してきた。また2022年1月には、NZBAが設立したトランジションファイナンス作業部会の議長として、同ファイナンスに関する指針を取りまとめる等、積極的な活動を展開してきた。

 MUFGはNZBAからの離脱後も、脱炭素への投融資計画など気候変動への対応は個別に続ける構えだとしている。サステナブルファイナンスの投融資目標を維持するほか、50年までに投融資先の企業のGHG排出量をネットゼロにする目標も維持するとしている。

 ただ、米銀などの場合、トランプ政権や米共和党の州当局等が、金融機関が化石燃料関連企業への投融資の削減を集団的に行うことは反トラスト法(独禁法)違反の恐れがあるとの「圧力」をかけ続けたことが離脱の主な理由となっている。だが、日本の銀行の場合、国内の公正取引委員会が米政権と同様の独禁法解釈をしているとは思えないほか、米市場に進出している邦銀勢に、主要米銀がNZBAから離脱後、トランプ政権や共和党等から「米銀に追随すべきだ」との「圧力」が強まったとの話も聞かない。「付和雷同」ということなのか(?)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-18/SSYJ9FT0AFB400