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日本生命の三菱UFJ銀行への出向者による内部情報持ち出し事件で、日生出身の筒井義信経団連会長が「金融機関との関係強化の中で、情報収集も期待する風土を作ったことが原因」と説明(各紙)

2025-11-25 23:31:26

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写真は、日本生命の銀行への出向社員による銀行の内部情報持ち出し事件で「陳謝」する経団連会長の筒井義信氏=日本経済新聞から引用)

 

 各紙の報道によると、経団連会長の筒井義信氏は25日の会長記者会見において、自らの出身会社である日本生命保険において、三菱UFJ銀行への同社からの出向者が銀行の内部情報を無断で持ち出した問題について「深くおわびを申し上げる」と陳謝した。同氏は今回の問題の原因についても触れ、「金融機関との関係強化をミッションとするなかで、情報収集についても期待する風土を作ったことに原因がある」と話し、再発防止に取り組む考えを示したとしている。

 

 日本経済新聞等が報道した。日生の今回の不祥事事件は、同社本体にとどまらず、子会社で金融機関での販売を専門とするニッセイ・ウェルス生命保険でも、同社からの三井住友銀行、みずほ銀行への出向者による情報の無断持ち出し行為が継続していたことが判明している。日生グループ全体で「(出向の見返りに)情報収集を期待する風土」ができあがっていたことになる。

 

 日本生命は25日に、同問題の責任を取る形で、朝日智司社長、清水博会長、筒井義信特別顧問が、それぞれ月額報酬の30%分を1カ月分だけ自主返納するほか、赤堀直樹副社長らは月額報酬の5%の減給処分とすることを発表している。同社およびニッセイ・ウェルス生命保険の関係幹部についても減給処分とした。https://rief-jp.org/ct1/159010?ctid=68

 

 経団連会長の筒井氏は、現在も日生の特別顧問のポストにあるうえに、出向社員らが不正な情報収集を継続的に展開していた期間に、日生の経営トップの座にあったことなどが、報酬の自主返上の理由とみなされている。経団連会長が、出身先企業での不祥事の責任を取る形で、自らに処分を課するのは、過去にあまり例がないと思われる。

 

 ただ、今回の出向先企業の内部情報の持ち出しは、持ち出された側の企業が日生に対して「意図的な企業の内部情報の窃取」とみなして訴えれば、「犯罪」として成立する可能性も高いとみられる。さらに、持ち出された側の企業の「受け入れ出向者管理」の経営責任も株主総会等で追及される懸念もある。「出向者たちが勝手にやった」という、日生側の説明だけでは済まされないのは明らかだ。

 

 筒井氏は、経団連の会長ポストだけでなく、日本政府のGX政策の中核組織であるGX推進機構の理事長の要職にもある。GX機構の現在の主要業務は、GX分野の事業等への投資を推進するため、投融資をした金融機関のリスク対応の債務保証や出資などの金融支援業務に重点を置いている。

 

 そのスタンスは「(GX支援の)金融機関との関係強化をミッションとするなかで、(GX関連の)情報収集についても期待する」形ともいえる。同機構は、日本の企業同士、および日本政府と企業の間での政策支援と補助金配分とでつながった官民連携の典型組織といえるだけに、「日生的な不祥事」の温床にならないように、願いたい。

                           (藤井良広)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA256DJ0V21C25A1000000/?type=my#AAAUAgAAMA

https://www.nissay.co.jp/kaisha/news/20251125.html