HOME |英国ヒンクリーポイントC原発の建設現場で、火災・黒煙立ち昇る。建設主体の仏EDFは「ボヤ。犠牲者なし」と説明。中国で放射性希ガス漏れ騒ぎを起こした原発と同型機(RIEF) |

英国ヒンクリーポイントC原発の建設現場で、火災・黒煙立ち昇る。建設主体の仏EDFは「ボヤ。犠牲者なし」と説明。中国で放射性希ガス漏れ騒ぎを起こした原発と同型機(RIEF)

2021-06-17 22:53:59

Hincley002キャプチャ

 英国のイングランド地方のサマセットに建設中のヒンクリー・ポイントC原発(Hinkley Point C)で15日朝、火災が発生、その後、黒煙が高く立ち昇った。同原発建設を推進する仏電力会社のEDFは「火事は『ボヤ』で、間もなく、内部の消防隊によって安全に消し止められた。けが人等の犠牲はない」と説明した。火災を起こした原発はEDFの欧州加圧水型炉(EPR)で、中国・広東省で放射性希ガス漏洩事故を引き起こした台山原発と同型。

 (写真は、建設中の原発から立ち昇った火の手と煙。日本の福島第一原発で、1、2、4の各号機が、水素ガス爆発を起こした時を思い出させる)

 周辺の住民らがSNSで火災の模様を伝えた。現地の報道では、火の手は原発建屋の一部から上がり、黒々とした煙が立ち昇った。EDFのスポークスマンは、火災は間もなく消火され、原因調査中とした。

 その後、EDFが出した声明では「今朝(15日)、建設現場から『小さな火災』が発生、安全に消火された。内部の消火チームが鎮圧したが、周辺地域のデボンやサマセットの火災救助サービスも駆け付けた」と説明している。

立ち昇った黒煙は、遠くからでも確認できた
立ち昇った黒煙は、遠くからでも確認できる

 

 火災は、パイプやケーブル等が張り巡らされている建設現場の一部から起きたとみられる。原因は調査中で、EDFは「原因を突き止め、再発防止に努めたい」としている。

 

 ヒンクリーポイントCの原発はEDFのアレバによる最新型の欧州加圧水型炉(EPR)。同機は、今回の火災の1日前の14日に、EDFグループのフラマトムが建設に携わった中国広東省の台山原発で原子炉内の放射性希ガス濃度が上昇し、大気放出する「事故」を起こしている。http://rief-jp.org/ct9/115241

 

 ヒンクリーポイントC原発は、1965年から2000年まで稼働したヒンクリーポイントA(2基)と、76年に稼働を始め、2023年までの予定で現在稼働中の同B(2基)に加え、新たにC(2基)を建設中。同CはEDFのEPR型。同原発は、従来より安全性が高まっているとされる一方で、工事費が高騰、英国内で議論が続いている。2025年に1基が稼働の予定。

EDF says a ‘small fire’ at Hinkley Point, visible from Burnham, was safely extinguished (burnham-on-sea.com)