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ENEOSグループのJX石油開発、英国・北海油田の原油生産から撤退。英事業子会社の全株を英資源開発企業に売却。総額約1855億円。再エネ・脱炭素事業にシフト(RIEF)

2021-11-27 12:49:08

ENEOS001キャプチャ

 

  ENEOSグループのJX石油開発は26日、英国の北海油田での原油生産からの撤退を発表した。英国子会社の全株式を、資源開発の英ネオ・エネルギー(NEO Energy Upstream UK Limited)に売却することで合意した。売却額は16億5500万㌦(約1885億円)。ENEOSはグループ全体の化石燃料権益を削減するとともに再生可能エネルギー事業への投資にシフトする方針という。英北海の油田資源は枯渇が進むほか、英政府のネットゼロ政策に関連して将来的な閉鎖の動きが焦点となっている。

 

 (写真は、JX石油開発子会社が売却した英北海の開発拠点の一つ)

 

 JX石油開発によると、同社の100%出資の事業子会社であるJX Nippon Exploration and Production (U.K.) Limited(JXNEPUK)の全株式をNEOに売却する。最終的な売却額は、JXNEPUKの企業価値から借入金や運転資金などを調整後、確定する。取引は、英国の公的機関の承認などを経て有効になる。

 

JXが保有する北海海域の開発拠点(赤印)
JXNEPUKが保有する北海海域の開発拠点(赤印)

 

 同社社長の細井裕嗣氏は「今回の北海権益の売却は、わが社の開発部門(upstream)のポートフォリオを強化するための戦略の一環で、わが社のビジネスにとって重要性の減少したプロジェクトを売却して入れ替えるもの。ENEOSグループが低炭素社会への貢献を目指す長期ビジョンに沿った取り組みだ」と説明している。

 

 同社が属するENEOSグループは、低炭素社会への貢献を打ち出した「2040年長期ビジョン」に基づき、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、米国等で、CCUSプロジェクトを含めて脱炭素事業を拡大している。

 

 北海油田の開発は、1851年まで遡る。本格的な開発は英国が1960年代から始めた。北海を取り巻くノルウェー、デンマーク、オランダ、ドイツ等も開発を手掛けている。ただ、中東等の油田に比べて開発コストが高いことと、資源全体の枯渇問題が指摘されている。さらに、気候変動対策としての化石燃料離れ等から、英国では北海油田開発の休止議論が続いている。

 

 https://www.nex.jx-group.co.jp/newsrelease/2021/post_8.html

https://www.nex.jx-group.co.jp/english/newsrelease/2021/sale_of_uk_business.html