バージ型浮体による浮体式洋上風力発電所。初の商用運転開始。広島のグローカル社が運営。中国電力等も事業に参画。コンパクトサイズでコスト削減。大量生産への期待も(RIEF)
2025-04-23 18:20:58
洋上風力発電の総合エンジニアリング業のグローカル(本社・広島県呉市)は22日、中国電力や、リニューアブルジャパン等と連携して設立した合同会社が、北九州市響灘の水深54~60mの沖合で、浮体式洋上風力発電所の商用運転を開始したと発表した。浮体式洋上風力発電所の商用化は、国内では2基目、鋼製バージ型浮体としては国内初だとしている。稼働したのは風力発電1機で発電量は3000kW。バージ型の鋼鉄製浮体は長さが各51m、高さ10mで比較的コンパクトなことから、コスト削減や大量生産に適しているとしている。
発電所の主体は、「ひびきフローティング ウィンドパワー合同会社(HFWP)」。グローカルのほか、中国電力、SMFL みらいパートナーズ、合人社グループ、 コトブキ技研工業、リニューアブル・ジャパンの6社が出資して設立した。出資比率は非公開。浮体式風力発電の商用化は、長崎・五島市沖で戸田建設が中心になって進めている事業が第一号。現在、同事業は不具合の調整で休止中。

北九州での今回の浮体式発電所は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2014年から取り組んできた「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(バージ型 )」によってで開発が進められてきた。水深50m~100m の 海域での運用を想定し、低コストかつ日本の気象 ・海象条件に適合した堅牢な浮体式洋上風力発電システムの技術確立・検証を目指してきた。
2019年5月から現在の響灘沖合で実証研究での運転に移行。2024年3月末に同研究終了の後、実証研究のメンバーであったグローカルが NEDOから設備一式を引き継ぎ、同発電所の 管理・運営会社としてHFWPを設立したという経緯だ。
HFWPを稼働させるためのO&M(運転・保守)事業は、グローカルが担い、アセットマネジメントはSMFLみらいが受託する。 同発電所で発電した電力は 、国のFIT(固定価格買取制度)の適用によって、九州電力送配電に1kW時当たり36円で全量売電する。同発電所の発電によってCO2排出削減量は年間2948㌧削減される見通し。
グローカルの奥原誠次郎社長はメディアに対して「浮体式の洋上風力発電についてはこれまで、メンテナンスなどの技術を国内で獲得できていないことが課題だった。今回の商業運転を通じて知見を得ていきたい」と話している。
風車自体は最大の高さが122mになる。グローカル等は、商用運転と同時に、浮体式洋上風力発電の技術の安定などの知見や実績を蓄積することで、将来的に期待される日本の近海周辺での洋上風力発電事業への応用にも取り組むとしている。

































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