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中部電力、静岡・裾野市などでの4件のバイオマス発電事業から撤退へ。「事業性の確保困難」との理由。同事業に参加していたみずほリースも撤退。再エネ専業企業が出資分引き受け(RIEF)

2026-02-20 22:36:12

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上図は、静岡・裾野市で建設中のバイオマス発電所の完成予想図=プロスペックAZのサイトから引用)

 

 中部電力は、静岡県裾野市、群馬県渋川市、長野県長野市および新潟県上越市で計画している4件のバイオマス発電事業から撤退すると発表した。各電力事業化のために設置した合同会社(SPC)への同社の出資持ち分は、同事業を中核的に推進する再エネ専業企業に譲渡する。中部電力は鳥取県米子市で稼働させた米子バイオマス発電事業が輸入木質ペレットからの出火・爆発事故の影響で、約1年5カ月の稼働期間で閉鎖、負債総額約49億7000万円で民事再生法を申請するなど、同事業運営に苦戦している。今回の4発電事業は「事業性の確保が困難」との判断で計画段階での撤退を決めた。同事業に出資していたみずほリースも同様に事業から撤退を表明した。

 

 中部電力が撤退を決めた4バイオマス発電事業は、同社とみずほリースの100%子会社であるエムエル・パワー、再エネ専業のプロスペックAZ(名古屋市)が、各発電所ごとに合同会社(SPC)を設立して計画を推進してきた。開発計画はいずれも2024年から取り掛かっていた。発電燃料は、街路樹の剪定枝などを主な燃料とする予定で、合計の発電出力は1,990kWとしている。

 

 しかし中部電力は、当初想定していた4発電所の運転開始時期が遅延する見通しとなっていることなどから、現状では事業性の確保が困難と判断した、としている。SPCへの同社保有分はプロスペックAZに譲渡する。

 

 メディアの報道によると、静岡・裾野の案件は、建屋やボイラーなど主要設備の工事は終えたものの、燃料運搬用車両の通行に伴い道路拡幅工事が追加で必要になるなど、計画の変更を余儀なくされているという。また群馬・渋川市の案件は、工事に関する法令上の申請手続きが長期化しており、長野市の案件は下請け業者との契約締結交渉が長期化し、新潟・上越市の案件は、追加の地盤強化工事の必要性が判明するなどで、いずれも工事は予定から遅れ、現時点では未着工になっているという。

 中部電力と同様に、各SPCに出資していた、みずほリース(エムエル・パワー経由)も、「近年の部材高騰などの厳しい事業環境に加えて、発電所運転開始時期が遅延する見通しとなる等により、事業性の確保が困難であるとの結論に至った」として、事業から撤退し、保有する出資持ち分のすべてをプロスペックAZに譲渡すると発表した。

 中部電力は再エネ発電を、脱炭素化やエネルギー自給率向上のための主力電源の一つと位置付け、「2030年頃に保有・施工・保守を通じた320万kW以上の拡大」という目標を立てている。現在、木質ペレット、パーム椰子殻を燃料とする、四日市バイオマス発電所(発電出力:4万9000kW)をはじめ、全国で12カ所のバイオマス発電所を操業しているほか、開発中の案件も3カ所ある。同社はこれらの計画中の案件は順調に進んでいるという。

 中部電力、みずほリースの出資分を引き受けるプロスペックAZは、 再エネ専業企業。大手バイオマス発電事業者が、ベトナム等からの輸入木質ペレット等を燃料とするのに対して、同社は国内の街路樹等の剪定枝を原料とした地域バイオマス資源を燃料として各地で発電所を建設している。同社の木質バイオマス発電事業(2MW)の案件は全19件(2024年6月現在)に上る。同社では、剪定枝の発生状況を踏まえて、各都道府県に2カ所程度のバイオマス発電所の開発を目標にしている。

                           (藤井良広)

https://www.chuden.co.jp/publicity/press/1217422_3273.html

https://www.mizuho-ls.co.jp/ja/news/news4698073185807565760/main/0/link/260217.pdf

https://www.prospec-az.com/business/biomass.php