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原発プロパガンダ:関電もNPOに年2000万円 講座で原発案内、公聴会で動員

2013-03-28 16:23:03

関西電力本社
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大阪市のNPO法人「女性職能集団WARP−LEENET」(ワープ)は、関西電力が年間2000万円に及ぶ支援で活動を支えている。関西の主婦向けに開く原発の講座や施設見学をする「くらし学講座」は活動の柱だが、参加者を募集する新聞広告では「環境を楽しく学ぶ」などとあるだけで、「原発」の記述はない。一方で、05年の原子力政策大綱の公聴会で関係者を動員して原発推進を訴えるなど、関電との「持ちつ持たれつ」の関係が見える。【杉本修作、向畑泰司】

 ワープは93年7月、関電が主催した広報イベントに一般モニターとして参加した主婦らを中心に発足し、01年7月にNPO法人格を取得。くらし学講座は発足時から毎年開く中心的事業で、新聞広告や関電が主婦層らに向け開設した会員制情報サイト「e−patio」(今年2月閉鎖)で参加者を募り、毎年約100人が受講した。

 新聞広告には「エネルギー資源問題について楽しく学びませんか。6回の講座と3回のバス見学、IH料理教室を開催」とあるが、広告に「原発」の文字はない。受講生のブログによると、1泊2日のバス旅行で福井県の原子力関連施設を見学した際には高級日本料理が振る舞われたとの記載もあった。

 1年の受講を終え、意欲がある修了生はOG組織「エレの会」に所属し、さらに詳しい原発や放射能の勉強会が用意されている。ワープの代表、井上チイ子氏によると、年間事業費4500万円のうち2000万円超が関電からの支援という。

 井上氏は「仕事として委託を受け委託費をもらうのは広告代理店と同じ。講座は原子力だけではなく、原子力に肩入れしているわけでもない」と説明する。だが、ワープのホームページ(HP)には原子力特別講座など原発関連のイベントが多く、今年1月に取材でその点を指摘すると、直後にHPは閉鎖された。

 05年10月に閣議決定された原子力政策大綱の策定会議では、井上氏も策定委員に名を連ねた。同年8月、大綱に市民の声を反映させるため福井市で開かれた公聴会にはワープの幹部数十人が会場に参集し、うち1人が発言して原発推進に向けた広報の拡充を求めた。

 

http://mainichi.jp/select/news/20130328dde041040006000c.html