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福島第一 非常用タンク7割満水(東京) まもなく使い果たす これが「科学立国日本」のお粗末な実態

2013-04-14 14:40:52

まもなくタンクも満水に・・
まもなくタンクも満水に・・
まもなくタンクも満水に・・


東京電力福島第一原発で、高濃度汚染水の処理ができなくなる非常事態に備えた移送先タンクの七割が、すでに満水で使えなくなっていることが分かった。東電は問題ないと強調するが、今月発覚した地下貯水池の水漏れ事故によって汚染水処理計画が破綻し、電源設備にも不安が残ることが明確になったいま、非常用タンクを安易に捨て去った東電の危機管理には疑問が残る。 (山川剛史)


 容量約一万トンと、小学校のプールにすると二十杯分の非常用タンクは、4号機南側の高台にある。高濃度汚染水はおびただしい放射線を放つため、タンク本体は地中に埋め、内部に水素がたまらないよう排気する配管も備えている。




 原子炉建屋地下は、毎日四百トンのペースで高濃度汚染水が増えている。非常用タンクは、除染装置が使えなくなり、あふれそうになった場合、緊急に移送するため造られた。




 東電は、昨夏の時点では「このタンクの大半は必ず空けておく」と本紙の取材に答えていた。その後、除染装置がフランス製の一系統のみから、米国製と日本製が加わって三系統に増え、長期にわたり汚染水処理が途絶える事態は起きないと判断。処理後の水をためるタンクが乏しくなってきたこともあり、一万トンのうち七千二百トンを処理水の貯蔵に使い始めたという。




 当初の空き容量一万トンがあれば、万が一の場合でも一カ月近くは余裕がある。しかし、現在の容量は三割弱の二千八百トンにまで減っている。これでは一週間分の除染停止しかカバーできない。




 東電の担当者は「現在、建屋地下の汚染水の水位は十分低い。除染装置が三つとも使えなくなったとしても、建屋内に空き容量があるため、一カ月ほどは大丈夫」と強調する。




 ただ、三月には仮設電源盤にネズミが入り込んで同時多発的な停電が発生。使用済み核燃料プールの冷却のほか除染装置の一つも停止した。




 さらに現在、発生中の地下貯水池の水漏れ事故で、池の水を全て地上タンクに移すことになり、タンク事情はさらに悪化。もし増設が追いつかなければ、除染装置自体は動くのに、処理した水の行き場がないため稼働できない事態も十分あり得る。こうした状況が長引けば、建屋地下の高濃度汚染水がまた海に漏出する恐れが出てくる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013041402000142.html