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「福島事故で死者なし」 自民党高市早苗政調会長が原発再稼働主張 事故による直接死がなかったのは単なる”偶然”、 自殺、避難先での病死等は山積み(FGW)

2013-06-18 11:35:19

事実を直視できない高市自民党政調会長
事実を直視できない高市自民党政調会長
事実を直視できない高市自民党政調会長


各紙の報道によると、自民党の高市早苗政調会長は十七日、神戸市内で講演し、原発の再稼働問題について「福島第一原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない。最大限の安全性を確保しながら活用するしかない」と述べた。


 原発事故による死者の推計については、事故の直接の影響による死者に加えて、放射性物質の影響を受けてガン等を発症する場合も含めるのが国際的な常識う。たとえば旧ソ連のチェルノブイリでは旧ソ連当局は事故による死者を33人と発表したが、その後、IAEAは4000件、WHOは9000件、ロシア科学アカデミーは21万2000件などと、時間を経過するにつれて、各機関の推計値が変動、増加している。福島の場合も、事故の影響を受けた農民の自殺、避難先での病死、悲観死などのほか、今後、がん発症がどれだけでるかが、注目されている。

また、被害の程度は、炉心が爆発したチェルノブイリよりは、相対的に抑えられたかもしれないが、それは事故対策で制御できたためではない。偶然、爆発に至らなかったり、鎮静化できたなどの結果に過ぎない。高市政調会長は、こうした明確な事実を踏まえてモノを語っているとは思えない。参院選挙前の政治的発言とみても、政権党であり、原発政策に責任を負う政党の幹部がこうした”無責任発言”を行うところに、この国の政治への不信感が消えない原因がある。

 

高市氏は、同時に「原発は廃炉まで考えると莫大(ばくだい)なお金がかかるが、稼働している間はコストが比較的安い。エネルギーを安定的に供給できる絵を描けない限り、原発を利用しないというのは無責任な気がする」と語った。原発稼働のコストだけを強調、市民、住民、地域社会に及ぼす膨大な汚染コストに思いが至らない政治家であることを自ら告白したようjなものだ。未来の社会を担う政治家としての資質がないことが明白だ。