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シャープ オフィスビルの自然採光システム適合の「採光フィルム」開発 照明電力4割削減へ。この会社はアイデアと技術はある(FGW)

2015-06-15 01:40:44

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 シャープは、オフィスの窓に設置することで照明用電力を4割削減できる「採光フィルム」を開発した。自然採光システムを採用するビルが増えていることに対応、自然採光と照明の省エネ化を両立させることにつながる。すでに、東京虎ノ門に今月、立ち上がった賃貸ビルに採用されている。

 

 シャープが開発した「採光フィルム」は太陽の年周運動・日周運動を考慮した高度な光学設計に基づいた技術を用いている。表面に微細加工を施すことで、フィルムの片側に様々な角度から入る光を、反対側から一定の角度で出すことが可能になる。

 

 自然採光システムを導入して、窓から外光を直接取り入れると、季節や天候、時間帯によって外光が眩しすぎる場合は、カーテンやブラインドなどで遮光することになる。そうすると、暗くなった室内の照明が必要となり、照明用電力の増加につながるという悩みがあった。

 

  シャープが開発した「採光フィルム」出典:シャープrk_150604_nagamachi01.jpg

 

そこで、このフィルムを窓の上部に設置すると、季節や時間帯に応じて変化する外光の入射角度に関わらず太陽光を効率的に天井方向に取り込み、室内全体を明るくできるという。シャープの実測値に基づく検証では、年間で約4割分の照明用電力の削減が可能になるとしている。フィルムは、シャープが得意の液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用して開発した。

 

 同フィルムをサッシに納めた「自然採光システム」が、6月2日に竣工したヒューリック株式会社のヒューリック虎ノ門ビル(東京都港区)に導入されている。

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 シャープは、今後、オフィスビルだけでなく、学校、病院、コンビニエンスストアなどへの導入を目指して、建材メーカーなどとの連携を検討していくという。グリーンビルディングの効率向上の有望な部材として活用されそうだ。

 

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150602-b.html