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電子回路基板メーカーのメイコー 福島第一原発事故で操業停止工場の賠償資金をメガソーラーに転用。720世帯分の再エネ電力生み出す(FGW)

2015-06-15 17:31:23

meikosolarキャプチャ

神奈川県の電子回路基板メーカー、メイコーが、東電福島原発事故で一時、操業停止した福島工場(福島県広野町)内に建設を進めていたメガソーラーが6月10日から発電を始めた。同社は、3ヶ月以上も同工場の操業ができなかったことに対して東電から賠償金を得たが、その額とほぼ同額を投じてメガソーラーを建設した。いわば、原発事故の賠償金で太陽光発電を一つ生み出したことになる。

 

 メイコーは電子回路基板の設計、製造、販売を一貫して行う専門メーカーで、中国、ベトナム等にも工場をもち、グローバル展開も進めている。東日本大震災で被災した福島工場は、電子機器に欠かせないプリント基板を製造する主力工場の1つだが、東電福島第一原発から22kmしか離れていない広野工業団地内にあった。

 

しかし原発事故により一時、緊急時避難準備地域に指定され、避難指示が出されたことから、3ヶ月以上にわたって操業停止となった。東電からはこの間の生産停止に対して7億4300万円の賠償金が支払われたという。そこで同社は、賠償金とほぼ同額の7億2000万円をメガソーラーの建設に投じることにした。

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 工場周辺には将来の工場増設のために4万㎡の土地を確保していた。その土地が震災後に遊休地となったため、そのうちの約4分の3を活用してメガソーラーに転用した。名称は「メイコーソーラーパーク福島」。発電能力は2.5MWで、年間の発電量は260万kWh。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して720世帯分に相当する。広野町の総世帯数(約2000世帯)の3分の1以上をカバーする電力源になる。

 

 地元広野町は復興計画の基本方針として再生可能エネルギーの拡大を掲げており、そうした地元の復興にも貢献する形だ。発電した電力は全量を売電する。