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新たなバッタの群れが、東南アジアから中国にかけて出現。「黄色角竹バッタ(YSBL)」。竹や稲等を食べ尽くす。中国・雲南省等ですでに被害発生(RIEF)

2020-07-13 13:58:29

raosulocust001キャプチャ

 

 東アフリカからインドにかけて増殖を続けるサバクトビバッタとは別のバッタの大群が、出現した。場所は、中国からラオスにかけての東南アジア地域。バッタの種類は「黄色角竹バッタ(Yellow-Spined Bamboo Locust:YSBL)。竹やバショウ、イネ科の植物等を食い尽くす。先週末までラオスとの国境を超えて、中国の雲南省普洱(プーアル)市に侵入した。

 

 雲南省普洱市林業・草原局によると、国境を超えて侵入したバッタは、約6600haにわたって展開。すでに26haの草原等を食べ尽くしたとされる。周辺の勐腊県(Mengla)などにも急速に拡散している。地元では、バッタの飛来を食い止めるためにドローン等を活用した防除作業を実施しており、すでにドローンによる農薬散布は500回以上、実施しているという。

 

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 現地では6月28日に最初のバッタの一群が観測された。「Yellow-Spined Bamboo Locust : YSBL(学名Ceracris kiangsu Tsai)」という種類で、中国名は「黄脊竹蝗」。インドから中国にかけて時々、大量発生する。特に大量の雨が降ると発生し、7月から9月までに大発生による展開が予想されている。

 

 2018年にもラオスやベトナムでYSBLの大量発生が観測され、農作物等に大きな被害が出ている。温暖化の影響で大量の雨を伴う暴風雨の発生が相次ぐと、バッタの大量発生も促されるという。温暖化の加速による生態系異変の一つとみられる。

 

群れが移動すると、空を覆い尽くす
群れが移動すると、空を覆い尽くす

 

 アフリカ・インド等に展開しているサバクトビバッタは土色だが、YSBLの体の色は緑色で、明るい赤色の羽をもつ。一つの群れが4000万~8000万匹の大群で構成され、一日に70マイル(約112km)以上を飛行する。この規模のバッタの大群の食欲は、一日に人間300万人分が食べる量と同量に相当するという。

 

https://www.express.co.uk/news/world/1307920/locust-swarm-invasion-china-news-latest-locust-plague-laos