第六回(2020年)サステナブルファイナンス大賞の表彰式(オンライン)開催。受賞者は、大学初のソーシャルボンド発行の東京大学をはじめ13機関。過去最多。取り組み多様化顕著に(RIEF)
2021-01-20 18:21:41

一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)は20日、第6回(2020年)サステナブルファイナンス大賞の表彰式をオンラインで開催した。今回は最優秀賞(大賞)に、日本の大学として初めてソーシャルボンドを発行した東京大学を選んだほか、全部で13機関を選考した。受賞企業は過去最多の13機関だった。
オンラインの受賞式には、大賞の東京大学から副学長の坂田一郎教授が出席されたほか、各受賞機関の担当者、専門家の方々から、受賞内容の活動について、報告していただいた。特別に選んだ国際賞のハンガリーについては、現地から財務副大臣のガーポル・ギオン氏と政府公債管理機構(AKK)のゾルタン・クラリ氏が参加された。

受賞企業は、大賞に東京大学、優秀賞に、SOMPOホールディングス、みずほ証券、太陽生命保険、三井住友海上火災保険の4機関、サステナブル・イノベーション賞に野村證券+日本エアーテック、グリーンボンド賞に森ビル、長野県、サステナビリティボンド賞に三菱UFJフィナンシャル・グループ、NPO/NGO賞に気候ネットワーク(KIKO)、国際賞にハンガリー、地域金融賞に中国銀行と長野県信用組合。
このうち、サステナブル・イノベーション賞と、サステナビリティボンド賞は今回初めて選考した。NPO/NGO賞は昨年に続いて2回目。また、大賞の東京大学を含めて、ソーシャルボンドやサステナビリティボンド等、グリーン以外の非財務分野を対象とした金融の取り組みが増えたことが目につく。
これら新たな分野への取り組みが増えていることについて、主催者の環境金融研究機構の代表理事、藤井良広氏は「日本市場で、サステナブルファイナンス分野での活動が多様化しつつあることと、各プレイヤーの独自の展開が始まっていることを示唆する」と評価している。
そのうえで、金融庁がサステナブルファイナンスへの取り組みをようやく始めたと伝えられることについて、「日本の金融監督政策自体、これまでESGに対して明確なスタンスを持ってこなかった。これから政策が取り組むべきことは、情報開示等の枠組みをしっかりすることであり、投融資等の金融機関の活動については過剰な介入はせず、民間の創意工夫に任せるべきだ」と指摘している。
https://rief-jp.org/ct12/109222