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バイデン米次期大統領、証券取引委員会(SEC)委員長に、ゲーリー・ゲンスラー氏を正式発表。連邦上院承認後に就任。金融・証券規制を強化へ。ESG情報開示等の手腕は未知数(RIEF)

2021-01-19 23:11:20

Genslerキャプチャ

 

 各紙の報道によると、20日就任するバイデン次期米大統領は、米証券取引委員会(SEC)の次期委員長に、元米商品先物取引委員会(CFTC)委員長のゲーリー・ゲンスラー氏を起用することを正式に発表した。同氏は、オバマ政権下でリーマン危機後の金融規制強化を主導したほか、バイデン次期政権の政権移行チームで銀行・証券規制当局の見直し担当のリーダーを務めていた。

 

 同時に、消費者金融保護局(CFPB)の局長には連邦取引委員会(FTC)の委員、ロヒト・チョプラ氏を起用する。同氏はオバマ政権下で設立されたCFPBで学生ローンのオンブズマンを務めた経験を持つ。同ポストでは、ローンを提供する金融会社に対し、返済に苦しむ学生を支援するよう求めてきた。http://rief-jp.org/ct5/109890

 

 ゲンスラー氏とチョプラ氏の就任は上院議会の承認が必要になる。ただ、上院は民主党が実質多数を得たことで、両氏の就任は確実だ。トランプ政権下で、SECもCFPBも企業寄りに政策をシフトさせたと批判されている。両氏とも、担当する組織の「トランプ色」の払拭とともに、規制・監督面での強硬路線への復帰を辞さないとみられている。

 

  ゲンスラー氏はこれまで、スワップ市場改革や、LIBORスキャンダルの摘発等、市場の改善に力を発揮してきた「すご腕」として知られる。ただ、現在、グローバル市場が直面している気候リスクをはじめとするESG情報開示や、個人投資家向けの「グリーンウォッシュ」対策等では、あまり実績や発言がないことから、どのようなカジ取りをするのかが注目点だ。

https://www.nbcnews.com/business/business-news/gary-gensler-biden-s-pick-head-sec-has-reputation-tough-n1254586