HOME |廃プラスチック削減の「バーゼル条約COP15」に向け、環境NGOグリーンピースが、環境省に廃プラ輸出情報開示を要請。日本の廃プラ輸出は世界最大。90%をアジア等に輸出(RIEF) |

廃プラスチック削減の「バーゼル条約COP15」に向け、環境NGOグリーンピースが、環境省に廃プラ輸出情報開示を要請。日本の廃プラ輸出は世界最大。90%をアジア等に輸出(RIEF)

2022-05-30 13:55:10

pura003スクリーンショット 2022-05-30 132844

 

  環境NGOのグリーンピース・ジャパンは30日、6月6日に開催されるバーゼル条約第15回締約国会議(COP15)に向け、世界でもっとも大量の廃プラスチックを海外に輸出している日本の情報開示と、対策を明確にするよう山口壮環境相に公開質問状を送付したと発表した。日本から輸出された廃プラの90%以上がマレーシア、ベトナム、タイなど、廃棄 物管理が十分に行き届いていない非OECD諸国へ送られ、これらの国々で、様々な環境・社会問題を引き起こしていると指摘している。

 

 グローバルなマイクロプラスチック汚染の広がりと、2017年の中国による廃プラ輸入禁止規制とで、先進国から途上国に「リサイクル資源」として輸出されていた廃プラのグローバルな環境規制強化策が導入され、2021年1月からバーゼル条約の廃プラ規制(条約付属書改正)として施行されている。

 

日本の輸出量は減少しているが、各国の削減ペースに追いつかず、2021年も世界最大の輸出国
日本の輸出量は減少しているが、各国の削減ペースに追いつかず、2021年も世界最大の輸出国(BANデータ)

 

 しかし、グリーンピースによると、日本を含む先進国は引き続き非OECD諸国に大量の廃プラを輸出し続けており、2021年も日本が世界で最も多くの廃プラ輸出国だったという。条約付属書改正で、廃プラ製品の輸出に際しては、環境省による確認手続きを経たうえで、経産省の輸出承認が必要とする行政の確認プロセスが強化された。グリーンピースは同改正に基づく両省の対応等についての情報開示を求めている。COP15が開催される6月6日までの回答を求め、回答内容はウェブ上で公開するとしている。

 

 公開質問状は4項目合計17の質問で構成する。項目は①日本から輸出された廃プラが、バーゼル条約の新しい輸出規制に対応していることを確認するための施策について②非OECD諸国への輸出について③廃プラが輸出された後の処理について④プラ容器包装ゴミについてー-。

 

   グリーンピースは、輸出された廃プラの多くがバーゼル条約での分類Y48(特別の考慮が必要な廃プラ)に該当し、事前の通知と同意、到着地の証明など、厳格な管理を必要とする混合もしくは汚染された廃棄物に該当する可能性があるとして、これらの情報開示を求めている。

 

 国際環境NGOのバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)によると、2021年の日本の廃プラ輸出量は6億2300万㌧で前年比25%減と縮減した。だが、他国の縮減率が高いことから、引き続き世界最大の廃プラ輸出国だという。このうち非OECD諸国への輸出量が90%と大半を占める。主要輸出国ではマレーシア向けが最大の2億700万㌧、ベトナム1億5900万㌧、台湾9800万㌧となっている。

 

 グリーンピースは、日本政府はバーゼル条約改正を支持してきたことから、直ちに汚れたプラスチックの輸出を停止し、違法あるいは、非持続可能な廃プラ取引を終わらせるために、上流対策を最優先し、プラスチックの生産と消費を大 幅に減らす必要があると指摘。特に重要なこととして、リユースを土台とした「使い捨てない社会」に移行して、使い捨て容器包装を根本から削減することを求めている。

 

日本の国別廃プラ輸出(BANデータより)
日本の国別廃プラ輸出(BANデータより)

https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/press-release/2022/05/30/57338/

https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2022/05/e2d04be0-20220530_%E5%BB%83%E3%83%95%E3%82%9A%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%85%AC%E9%96%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F%E7%8A%B6.pdf