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7月の世界の平均気温。観測史上2番目にとどまる。昨年6月からの13カ月連続の最高気温更新記録は途絶える。人類の経済活動による化石燃料排出量の影響変わらず。欧州気候機関(RIEF)

2024-08-09 23:31:00

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 EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は8日、7月の世界全体の平均気温は16.91℃で、昨年7月の平均気温より0.04℃低く、同月として史上2番目に暑い気温だったと発表した。これにより、昨年6月から続いていた世界の平均気温の13カ月連続の最高値更新はひとまず途絶えたことになる。しかし、産業革命前以来の気温上昇は1.48℃で、パリ協定が抑制目標とする「1.5℃」に近接するほか、7月を含む過去12カ月の平均気温は1.5℃を上回る1.64℃で「1.5℃」目標を上回っている。

 

 7月は同月としては史上二番目の暑い平均気温に留まり、平均気温上昇の連続記録は途絶えた。だが、7月の21日、22日は連続して、世界の日平均の平均気温が過去最高を記録している。これまでの世界平均気温は、昨年の2023年7月6日に記録した17.08℃。今年の7月21日には17.09℃と0,1℃上回り、24日にはさらに17.15℃にまで上昇した。https://rief-jp.org/ct12/147433?ctid=

 

 世界の海洋の平均温度も、7月は昨年同月の海温の水準より0.1℃低く、過去二番目の海温となった。海温の平均気温の史上最高記録も15カ月連続で途絶えた。https://rief-jp.org/ct8/147028?ctid=

 

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 コペルニクスは、7月の世界平均気温が史上2番目だったが引き続き高い水準で続いていると指摘している。世界の平均気温の上昇の要因は、化石燃料産業をベースとする温室効果ガス(GHG)排出量が高い水準で続いていることと、期間中に発生した太平洋東部でのエルニーニョ現象が影響した、とみている。

 

 同機関の気候リサーチャーのジュリアン・ニコラス(Julien Nicolas)氏は「エルニーニョ現象は終わったが、同現象による気温上昇の影響は引き続いている。現状の世界の平均気温の動向は、1年前とほぼ同じ。この長期的な気温上昇のトレンドは、気候に関する人類の活動の影響に関連していることは、非常に高いレベルでの信頼レベルで理解されている」と説明している。

 

 7月の気温上昇を地域別にみると、欧州南部や東欧、米国とカナダの西部、アフリカと中東、アジア、南極東部の大半地域で、通常の平均気温を上回る気温上昇が記録された。一方、欧州北西部や南極西部、米国や南米、オーストラリアの各一部地域などでは、平均近接か、あるいは、平均以下の気温だった。また欧州北部地域やトルコの南部などでは、平均よりも湿気の多い月となり、欧州南部や東欧では降雨が少なく、干害の懸念が深まった。

 

 7月の北極の海氷は2022、23年の過去二年の同月よりも海氷面積が小さく、平均年に比べても7%小さかった。ただ、近年で最も海氷面積が小さかった2020年の14%減までには至らなかった。南極の海氷は、年平均より11%少なく過去2番目に少ない年となったが、昨年の同月よりは15%少なかった。

 

 今後の注目点は、8月の気温上昇が、7月と同様に「2番目」にとどまるのか、さらに減少するのか、あるいは再び「平均気温記録更新」に戻るのかという見極めにある。

 

https://climate.copernicus.eu/july-was-second-warmest-record-ending-record-breaking-13-month-streak