HOME |COP3「京都会議」を舞台化して英ロンドンで大ヒットした「KYOTO」。その日本版が6月末から7月にかけ、東京・下北沢で「燐光群」によって上演されます。(RIEF) |

COP3「京都会議」を舞台化して英ロンドンで大ヒットした「KYOTO」。その日本版が6月末から7月にかけ、東京・下北沢で「燐光群」によって上演されます。(RIEF)

2025-05-27 16:21:23

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 英ローヤル・シェイクスピア・カンパニーがCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)を舞台化し、ロンドンで大ヒットした「KYOTO」が日本でも上演される。同劇は、その年に上演された優れた演劇・オペラ、ミュージカル等を表彰する英国で最も権威があるとされる「ローレンス・オリビエ賞」の2部門にノミネートされるなど、大きな話題を集めた舞台劇だ。その「日本版」が、6月27日(金)から7月13日(日)まで、東京・下北沢の「スズナリ」という劇場で日本の劇団「燐光群」によって上演される。

https://rinkogun.com/portfolio/20250627_kyoto/

 

 私(明日香壽川は)3週間前にネットで注文したロンドン版「KYOTO」の脚本を読んでみたところ、非常に面白かったので、知り合いの出版社の人に「翻訳して日本で出版しませんか?」と電話してみました。そうしたら、その人が「もう『「燐光群』という劇団が日本で上演するようですよ」と教えてくれたので、その劇団にメールしました。

 

そうしたら同劇団から連絡がすぐにきて、先週、劇団主宰者の坂手洋二さんとお会いしました。坂手さんは劇団が作成中の完成途中の台本(日本語版)も見せてくれました。それに対して、私の意見を少しコメントしたという急展開になりました。

 

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  お会いした坂手洋二さんは、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、簡単にプロフィールをご紹介しておきたいと思います。1983年に劇団「燐光群」を旗揚げされ、以来、同劇団の公演を各地で行っています。そのうち、『神々の国の首都』『屋根裏』等についてはヨーロッパ・アメリカ公演も行っています。これまでに、岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞、紀伊國屋演劇賞、朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞など多数の受賞歴があります。日本の演劇界での活動も熱心で、日本劇作家協会元会長のほか、日本演出者協会理事、社団法人国際演劇協会(ITI/ユネスコ日本センター)理事等も務めておられます。

 

 そこで「KYOTO」の内容ですが、ヒーローがCOP3議長のラウル・エストラーダ氏、アンチ・ヒーローが石油ロビイストのドン・パールマン(実在の人物)、悪役がセブンシスターズ(石油会社)で、中国、米国、イギリス、ドイツ、キリバス、サウジアラビア、日本の代表団が役として出ています(一人何役も演じます)。ちなみに、当時のCOPの会議場が舞台(円形)になっています。

 

 二幕構成で、第一幕が1990年ころのIPCCが動き始めたころから始まって、92年のリオサミットを経て96年のCOP2まで。同劇のポイントは科学者v.s. 米・サウジ・中国・日本連合という構図です。第二幕が1997年に京都の宝ヶ池にある国際会議場で開かれたCOP3です。COP3には、私もそれなりに関わっていましたが、今回この劇を見て初めて知った事はすごく多く、ぜひ多くの人に見てもらいたいです(かなり時代考証はしっかりしていて、エストラーダ氏やUNFCCC事務局など当時の関係者も全面的に協力しています。なので、政府関係者、NGO、研究者は必見だと思います)。「政治スリラー劇」というカテゴリーらしいですが、コメディや人間ドラマっぽいところもあり、上演時間の2時間半も飽きさせません。

 

 最初は、日本あるいは日本人役は出ていないのかなと思ったのですが、当時の環境庁長官で、COP3の議長を務めた大木浩氏の役と日本の交渉官役が出てきます(同じ人)。ですが、微妙な感じで、ぜひ当時の日本代表団の人などの意見が聞きたいです。

 

 いずれにしろ温暖化問題、それもCOPという(一見、かなり面白くなさそうな)国際会議を果敢に取り上げて舞台化し、観客自らが国際交渉官になったような気分にさせる台本は賞賛ものです。それをすぐに日本で翻訳劇として上演するのもすごいと思います。

 

ロンドン以外でやるのは日本が最初で、すでにニューヨーク・ブロードウェイで公演するという話もあると聞いています。ロンドン公演が大好評だったので、今、コペンハーゲン(COP15)、パリ(COP21)の分もそれぞれ制作中で、全3部作にするようです。(”KYOTO”は、本来は日本でこそ制作されるべきだったと思います)

 

なので、ぜひ下北沢に来て見てもらえると嬉しいです。昔を知る人にはぜひ回顧的に見てほしいですし、若い人にも人類の未来を決めるような国際会議が日本で開催されたという事実や、会議の顛末を知ってもらいたいです(劇の大きなテーマの一つは今風に言うとClimate Justiceです)。

 

下記はロンドン版のトレーラーです。

https://www.youtube.com/watch?v=b8k4W0aFNgM

https://www.youtube.com/watch?v=5mC-M-MBfAg

https://www.youtube.com/watch?v=7Du0Lnnc5ME

https://www.youtube.com/watch?v=BGLbtsv2_mc

(日本版とは舞台構成などで異なる部分もあります)

 

下記はBBCの番組および元UNFCCC事務局長クリスティナ・フィゲーレス氏がやっているPODCASTでの劇「KYOTO」特集です。いろいろ参考というか勉強になります(ノスタルジー感も)。

https://www.bbc.co.uk/sounds/play/b09z1dpk

https://www.outrageandoptimism.org/episodes/behind-the-scenes-at-kyoto?hsLang=en

https://www.outrageandoptimism.org/episodes/delay-deny-derail-inside-the-fossil-fuel-lobbys-playbook-at-cops?hsLang=en

 

今、芝居と同時並行的に、6月29日(日)午後5時くらいから関連シンポ、7月6日(日)同じく午後5時くらいからCOP3同窓会(+α)みたいなイベントを下北沢近辺で企画しています(両日とも芝居は午後2時からのマチネです)。詳細は追ってご連絡しますが、ぜひ皆さんもご観劇・ご参加いただければ幸いです。

                  (東北大学、明日香壽川)