英国のサステナビリティ・ビジネスリーダー約700人。ガザへの緊急支援の許可を求め英政府に公開書簡。英政府にはイスラエルの残虐行為と人権侵害を停止させる緊急行動を求める(RIEF)
2025-08-24 00:39:16
(写真は、CNNから引用:https://edition.cnn.com/interactive/2025/07/world/photos-starvation-in-gaza-intl-cnnphotos/)
英国のサステナビリティ・ビジネスの普及を展開するリーダーたち700人が、無抵抗の住民への無差別攻撃と虐殺が続くガザに緊急支援を講じるよう、英国政府に公開書簡を送った。書簡は「責任あるガバナンス、人権、平和、国際法にコミットする英企業・団体のリーダーおよび専門家として、ガザで激化する残虐行為と重大な人権侵害に深く衝撃を受け、英国政府に対し緊急の行動を強く求める」としている。サステナビリティを進めるビジネスリーダーとして現状を看過できないとして立ち上がった形だ。日本でサステナビリティを掲げるビジネスリーダーたちにも行動力が期待される。
書簡に署名したのは、1995年に世界初でグリーン電力会社「エコトリシティ」を創業し社会企業家のデール・ヴィンス(Dale Vince)、フェアトレード専門ブランド「ピープル・ツリー」創業者のサフィア・ミニー(Safia Minney)、元ユニリーバCEOのポール・ポール(Paul Polman)、SustainAbility を創設し、サステナビリティの普及・啓蒙活動の先駆者であるジョン・エルキントン(John Elkington)らの各氏が名を連ねている。
書簡では、今年5月19日に英国、フランス、カナダ3カ国の首脳が発表した共同声明を評価し、同声明に沿った対応を迅速にとるよう求めている。同声明では、2023年10月7日にハマスが実行したテロ攻撃を、国際法に明白に違反する民間人への意図的な標的攻撃と人質拘束として非難する一方で、イスラエル政府の完全に比例原則に反する軍事攻撃、パレスチナ人民への援助の停止、パレスチナ領土の違法占領を非難する内容だ。
単に双方に問題があると評価するだけではない。「イスラエル側の継続的な軍事行動は、すでに道徳的な境界線を越え、ジュネーブ条約の核心原則を侵害し、容認できない民間人への攻撃に他ならない」として、イスラエルの「行き過ぎ」を非難。特に、6万人を超える死者の多くが女性と子どもで、ガザの民間インフラがイスラエルによって意図的に破壊され、飢餓が蔓延する「ジェノサイド行為」だと断定している。
そのうえで「(イスラエルは)国際人道法の最も基本的な原則を侵害し、最も深刻な段階に陥る危険性を高めている。これは正常化されてはならない。継続してはならない」と述べ、英政府に対して、イスラエル政府に対して虐殺行為を即時停止する措置を取るよう外交的行動をとることを求めている。
公開書簡では、ガザの危機を救うために、すでに多くの世界の人道団体や国々が、戦争停止を求める提案をしていることを踏まえ、以下の要求を支持するとしている。
①ガザへの人道支援の完全かつ無制限なアクセス、適切な支援機関による大規模かつ緊急の支援
②英国は国際法上の義務に従い、イスラエルへのすべての武器移転(部品を含む)を停止する
③国際法違反(戦争犯罪を含む)の信頼できる証拠がある個人および団体に対する対象を絞った制裁の導入
④国際法的なメカニズムへの支援、国際司法裁判所(ICJ)と国際刑事裁判所(ICC)による調査を含む、およびすべての捕虜の即時かつ無条件の解放を確保するための英国の外交的支援を強化すること。
これらに加えて、書簡では「ビジネスリーダーとして、われわれは英国政府に対し、以下の措置を講じるよう求める」と提案している。
1)ガザでの軍事作戦に直接的または間接的に関与する可能性のあるすべての商品の輸出許可を、例外なく一時停止する
2)部分的な措置では、英国が国際法違反に 「連座(complicity)」 するのを防ぐには不十分
3) 金融制裁と投資審査を拡大し、国際法違反に関与する企業への英国の資金提供を阻止する
4)現在の努力と執行のギャップを埋めるためにさらに強化する
5)すべての英国に関連するサプライチェーンと金融システムにおいて、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」を徹底的に実施する
6)英国は、製品、サービス、またはサプライチェーンを通じて、これらの残虐行為に直接的または間接的に貢献するいかなる英企業も存在しないことを確保しなければならない
書簡では、この書簡が「最初のステップ」であることを認識し、署名者は英政府に対し、継続的な反省と行動のプロセスを支援する。各社の事業、サプライチェーン、資金の流れ、影響力を見直し、平和の促進、人権の尊重、国際法への尊重の強化に貢献することが含まれる、として、自らのビジネス活動での人権や平和の尊重にも取り組むことを宣言している。
そのうえで、「われわれは、これを単なる道徳的義務ではなく、長期的な社会的・経済的レジリエンスの利益にかなう行動としての専門的責任(Professional responsibility)と見なしている」と述べ、企業のサステナビリティ経営の追求は、社会の平和の促進、人権や国際法の尊重・強化の推進を踏まえてこそ、意義があることを強調している。
書簡には上記の4人のほか、クローバー・ホーガン(世代間気候行動組織Force of Natureの創設者)、ガイ・シン・ワトソン(有機食品会社Riverfordの創設者)、ジョナサン・ポリット(Friends of the Earthの元ディレクター兼Forum for the Futureの共同創設者)、マイク・バーナーズ=リー(気候変動に関する多作な作家兼研究者)、ルイーズ・キェルルップ・ローパー(ジョン・エルキンソンが設立したシンクタンク兼アドバイザリーファーム「Volans」のCEO)らも加わっている。
(藤井良広)
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