HOME |1月の世界の平均気温は12.95℃。過去5番目に暖かい1月。月後半に北半球は北極圏からの寒波で気温低下。「今が夏」のオーストラリアでは各地で過去最高気温観測。EUの気象機関調査(RIEF) |

1月の世界の平均気温は12.95℃。過去5番目に暖かい1月。月後半に北半球は北極圏からの寒波で気温低下。「今が夏」のオーストラリアでは各地で過去最高気温観測。EUの気象機関調査(RIEF)

2026-02-20 00:25:03

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上図は、1月の世界の平均気温の分布図、北極圏周辺の高温化が顕著に=C3Cより)

 

 今年1月の世界の平均気温は12.95℃で、直近の10年間(1991~2020年)の1月平均より0.51°C高く、これまでで5番目に暖かい1月となった。観測史上最も暖かかった1年前の2025年1月の気温に比べると、0.28℃低かった。1月の平均気温は比較的暖かかったが、月後半に北米、欧州、シベリアを含む北半球の広範囲で厳しい寒波が発生した。これは主に、通常より幅が広い極ジェット気流が原因で、極寒の北極空気が中緯度地域に流入したためとされる。

 

 EUの気象機関の「Copernicus Climate Change Service(C3C)」によると、昨年(2025年)の世界全体の平均気温は14.97°Cで、観測史上、過去3番目に平均気温が高い年だった。この気温は産業革命前(1850~1900年)の平均値を1.47℃上回った。https://rief-jp.org/ct12/163645?ctid=

 

 1月は北欧からバルト三国、東欧、シベリア、米国中部・東部等と北極圏を取り巻く地域を中心として、広範囲にわたる寒冷状態が発生した。この寒気の広がりは、通常に比べて、波状となった極ジェット気流により、寒冷な北極圏の空気が中緯度地域に流入したことが原因とされる。

 

1月の世界の平均気温の経年変化の推移
1月の世界の平均気温の経年変化の推移

 

  地域別にみると、欧州の同月中の陸域平均気温は-2.34℃で、1991~2020年の1月平均を1.63℃下回り、2010年以来の寒さとなった。広範囲に及ぶ寒波は、フェノスカンディア、バルト三国、東欧、シベリア、さらに米国中部・東部地区を襲った。東欧の寒冷状態はロシアとシベリアの大部分へと東へ広がり、気温は約-40°Cまで低下した。

 

 米国のアラスカでも月前半は寒冷で、月間異常値に反映された。月後半にかけて米国の中部・東部でも厳しい寒波に見舞われたが、一方で、ユタ州などの西部アメリカやカナダ西部では温暖な気候となり、地域間の対照性が際立った。C3Cは、米国の中部・東部で観測された極寒の気象状況は、月間気温の異常値では十分に捉えられていない、と指摘している。

 

 平均を上回る気温は、北極圏で最も顕著に表れた。特にカナダの北極諸島、バフィン湾、グリーンランド、ロシア極東地域の大部分で目立った。南米南部や、北アフリカ、中央アジア、オーストラリアの大部分でも平均を上回る気温が観測された。このうち、「今が夏」のオーストラリアの大部分では1月に2度の熱波が発生し、複数の地点で観測史上最高気温を記録した。例えば南オーストラリア州レンマーク(Renmark)では49.6℃という観測史上最高気温を記録。1910年以降のオーストラリアにおける1月では4番目に暖かい月となった。南極大陸も全体的に平年より暖かかった。

 

 海面の温度は、南緯60度~北緯60度の平均海面水温(SST)が20.68°Cで、同月としては観測史上4番目に高い値だった。2024年1月の記録値比では0.29°C下回った。ただ、ノルウェー海を含む亜熱帯域及び北大西洋北東部の大海域では、この時期としては観測史上最も高い海面水温が観測された。

 

 北太平洋の大部分では、引き続き平均を大幅に上回る海面水温が観測された。対照的に、赤道太平洋中部および東部では、1991年から2020年の平均値に近い、あるいはそれを下回る海面水温が観測された。これには、弱いラニーニャ現象が反映したとみられる。平均を下回る海面水温は、アラビア海、インド洋、南太平洋中部、タスマン海等で観測された。

 

 気象変動としては、西欧、南欧、東欧の大部分で平年より降水量が多くなり、イベリア半島、イタリア、西バルカン半島、アイルランド、英国などの欧州の多くの地域で集中豪雨が発生。それに伴う洪水や豪雨被害・混乱が生じた。

 

 北極の海氷は、1月の平均海氷面積が平年値を6%下回り、同月としては観測史上3番目の低さを記録した。地域別では、バレンツ海北部、スバールバル諸島とフランツ・ヨーゼフ・ランドの間、バフィン湾、ラブラドル海では海氷濃度が平年を大幅に下回り、これらの地域では地表気温が平年を大きく上回った。

                           (藤井良広)

https://climate.copernicus.eu/climate-bulletin

https://climate.copernicus.eu/surface-air-temperature-january-2026