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宮城県警 除染事業に違法派遣の疑い 元暴力団幹部ら逮捕 (河北新報) 除染事業に巣食う暴力団もしっかりコントロールしてほしい。

2013-10-08 11:31:54

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jishin20131007021jd福島第1原発事故に伴う除染事業の現場に作業員を違法に派遣したなどとして、宮城県警暴力団対策課と仙台南署は7日、労働者派遣法(派遣禁止業務)違反の疑いで、元指定暴力団系幹部の人材派遣業西村満徳(67)=仙台市太白区郡山8丁目=、元人材派遣業佐藤拓也(29)=同=の両容疑者を、職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)の疑いで、男2人の計4人を逮捕した。
県警によると、除染作業をめぐって暴力団関係者が逮捕されたのは全国で2例目。職安法違反容疑で逮捕されたのは岩沼市三色吉、建設会社社長長田俊明(64)、相馬市岩子、建設会社社員林文典(54)の両容疑者。

 

西村、佐藤両容疑者の逮捕容疑は共謀して3月7~30日に計95回、男性労働者6人を宮城県大河原町の建設会社に派遣し、労働者派遣法が禁じている建設業務に従事させた疑い。長田容疑者の逮捕容疑は国の許可を得ないで同時期に同じ6人を大河原町の建設会社に派遣した疑い。林容疑者の逮捕容疑は福島市小倉寺の除染現場に派遣された6人を働かせた疑い。
県警によると、作業員は除染現場で草刈りや表土を削る作業などに当たった。西村、佐藤両容疑者は容疑を認め、長田容疑者は「頼まれたので派遣しただけ」、林容疑者は「犯罪との認識がなかった」とともに容疑を一部否認している。

 

捜査関係者によると、西村容疑者は事件当時、暴力団幹部で、2次下請け業者の大河原町の建設会社の社員だった林容疑者から長田容疑者を介して作業員の派遣を依頼された。西村容疑者は仕事をあっせんする「手配師」集団に指示し、JR仙台駅周辺で労働者を集めさせたという。除染事業は福島市が計約1億4000万円で大手ゼネコン(東京)に発注した。2012年10月に作業を始め、ことし7月に完了したという。


月100万円暴力団側へ

福島市内の除染現場に作業員を違法に送り込むなどしたとされる事件で、暴力団関係者らに渡った公金は少なくとも月100万円以上とみられ、県警は資金の流れの解明を進める。
捜査関係者によると、労働者の日当は1次下請け業者が依頼した段階で約1万8000円だったが、2次下請け業者や西村、長田容疑者の会社を通すたびに「紹介料」の名目で差し引かれ、労働者が受け取る段階で7000円程度になった。

 
関係者の話では、西村容疑者は集めた労働者を自らが管理する仙台市内のアパート3カ所に共同生活させた。宿泊費や食費を給料から天引きするため、作業員に現金はほとんど渡らなかった。給料が前払いされ、共同生活から逃れられない労働者もいたという。

 

県警は西村、長田両容疑者が紹介料だけで月計100万円以上を不正に得たとみている。除染事業のほか、東日本大震災のがれき処理やかさ上げ工事などの復興事業にも作業員を派遣した可能性もあるとみて捜査している。

 

環境省によると、除染事業は国直轄と市町村の担当に分けられる。本年度の事業費は4978億円に上る。国直轄では1日に7000~8000人の作業員が従事しているという。

 

県警暴力団対策課によると、除染事業の多くの現場では労働力不足が続き、暴力団が介入する余地がある。同課の担当者は「暴力団排除条例の施行に伴い、暴力団は資金源を必死に探している。復興事業への暴力団参入は許さない」と話す。

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/10/20131008t73012.htm