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米濃縮ウラン供給企業が破たん 日本の原発停止が影響 東芝が再建支援へ(各紙)

2014-03-07 02:04:37

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USECimages各紙の報道によると、原発燃料の濃縮ウランを提供している米企業ユーゼックが5日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請、経営破たんした。2011年3月の東京電力福島第一原発の事故後、日本の原発が稼働を停止したことで、核燃料販売が低迷、資金繰りが行き詰まったとみられる。

ユーゼックはウラン濃縮の世界的大手だが、日本の原発向け燃料販売の低迷に加え、福島事故後に世界的にウランへの需要が低迷し、濃縮ウランの価格が下落したことも経営に影響した。

 

日本との関係では、2010年に日本は、濃縮ウランの輸入量約700トンのうち、約500トンをユーゼックに依存していた。個別企業では、東芝が同社の優先株を保有している。東芝は「13年3月期決算で減損処理をしており、(今回の破たんについても)業績への影響はない」と説明しているという。

 

また2013年1月には、財務体質の改善を目指して、使用済み核燃料の輸送容器(キャスク)を設計する子会社(NACインターナショナル)を、日立造船に売却している。

 

ユーゼックは破たん発表の記者会見で、東芝と発電関連機器大手のバブコック&ウィルコックスに対して、新規発行株を8%ずつ割り当て増資することを柱とした再建策を公表している。各社間で再建策で合意しているという。再建手続きは90~120日以内に完了を目指す。

 

東芝の増資引き受けには、停止中の日本の原発が近く再稼働を認められるとの読みもあるようだ。