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東電福島原発 迷走する東電の汚染水対策 甘い対策見通し、トレンチ滞留水処理できず、凍土壁も実現疑問 膨らむ”次なる大規模汚染リスク”(河北新報)
2014-08-08 23:10:22

福島第1原発2、3号機の海側トレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)にたまった高濃度汚染水への対応が、迷走している。海洋への流出を懸念する声が一段と高まってきた。
東京電力は、タービン建屋とトレンチの接合部の汚染水を凍結し、「氷の壁」で止水した上で、トレンチ内から汚染水を抜き取る計画。しかし、いまだに凍らず、作業は難航している。
原子力規制委員会は、トレンチ滞留水を第1原発の最大のリスクの一つと位置付け、即効性のある対策を強く求めてきた。東電は汚染水の水温を下げるため、氷の投入などに着手したものの、先行きは不透明だ。
トレンチは、汚染水問題の抜本的な対策として建設が進む「凍土遮水壁」を横切る。凍結止水は遮水壁建設の前提となるが、それにとどまらない。大規模津波を引き起こす恐れがある「アウターライズ地震」の発生が懸念されており、深刻な海洋汚染を防ぐためにも不可欠だ。
発生は予知できず時間的な猶予はない。凍結による十分な止水ができなかった場合の代替策を含め、より実効性の高い対策を早急に打ち出すべきだ。
第1原発では、溶けた核燃料を冷やすため、原子炉への注水が続く。この冷却水が汚染されて建屋地下にたまり、今も一部がトレンチに流入している。
特に深刻なのは、2、3号機の海側トレンチ内の、約1万1千トンに上る高濃度汚染水だ。設備の損傷や津波による浸水が起きれば、海洋に流出する可能性が高い。取り返しのつかない大規模汚染を招きかねない。
東電は、2、3号機建屋につながる4本のトレンチに氷の壁をつくり止水する方法を採用。2号機を先行させ、4月末から約1カ月での凍結を目指したものの、実現できなかった。しかも、規制委が凍結能力の大幅強化を要請するまで、本格的な追加対策を講じなかった。
7月30日に1日当たり15トンの氷の投入を始めるとともに、凍結管の増設を開始。8月中旬までにはトレンチ外側の地中にも凍結管を設置し、冷却を始める予定だが、効果は見通せない。凍結法の一層の改善をはじめ、止水剤の役目を果たすセメントの投入など、代替策も並行して検討しなければならない。
一方、トレンチの凍結遅れで、1~4号機への地下水流入を防ぐ凍土遮水壁の実現性を危ぶむ声が強まってきた。前例のない大規模凍土壁で、特に配管の周囲の凍結が難しいとの見方は強い。技術的な課題と効果を洗い直す作業は避けられない。
トレンチ滞留水問題で東電の事態の深刻さに対する認識の甘さと、緊張感の欠如があらためて浮き彫りになった。原発事故を真摯(しんし)に反省し、教訓にしたのか、疑問を抱かざるを得ない。
対策の可否は廃炉の工程にも影響する。規制委が指摘するように大津波をもたらす地震は、いつ発生してもおかしくない。一刻を争う事態であることを東電は強く自覚し、方策の実効性を見極めるべきだ。
http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140808_01.html

































Research Institute for Environmental Finance