経産省が原発の電気価格保証支援案を提案、コスト高を前提に(各紙) 原発はコスト安と主張していたのでは?
2014-08-22 16:24:58

各紙の報道によると、経済産業省は21日の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会で、原発で発電した電気に限って一定の価格を決めて電力会社の収入を保証する制度案を示した。
これは、2016年に予定されている電力の完全自由化帥によって電気料金の引き下げ競争がすすむと、コストのかかる原発への投資資金を回収できなくなる恐れがあるという。これまで経産省は、原発発電は他の発電よりもコストが安いと強調してきたが、原発発電の価格保証制度はそうした主張を180度変えることになる。
経産省が想定するのは、現在実施している再生可能エネルギー「固定価格買い取り制度(FIT」の原発版ということになる。政府が電力会社が原発で発電した電気に基準価格を決め、電力会社が市場で売電する際の価格がこの基準価格を下回った場合、差額分を小売事業者が電気料金へ上乗せすることができるというもの。
基準価格には、使用済みの核燃料の処理や廃炉など原発を動かした後に発生するコストも含める。こうした制度は、すでに英国が導入を決めているという。
原発による発電コストは、2011年の政府のコスト検討委員会の試算で、1kWh当たり8.9円以上となっており、石炭やLNG火力の同10円台に比べて一定の優位性があるとされてきた。しかし、その後、福島第一原発等の事故対策コスト等を加味すると、石炭だけでなく、再生可能エネ発電よりもコスト高になるとの指摘が広がっている。
建設済みの原発を再稼働するコストは相対的に対応可能だが、新規に原発を建設する場合は、むしろコスト高になる可能性が高い。そこで経産省は、原発新増設のためには電力会社の収入を保証する必要があるとして、新制度案を提案したとみられる。
しかし、コスト高を前提にして原発限定の支援策を実施する必然性があるのかどうかの議論がまず、必要になる。福島事故の処理コストはまだまだ上昇しそうだ。経産省は、地域社会や人体への安全性を無視してまで、コスト高の原発発電を政策的に優遇する理屈を国民に示す必要があるだろう。


































Research Institute for Environmental Finance