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広瀬東電社長 福島第一原発凍結止水工事に固執 「全くあきらめていない」と公言(各紙)

2014-08-22 01:10:31

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TEPCOhiroseimg_a10a5d8ea258cce718e7a9f3b2d3272162716東京電力の広瀬直己社長は29日、福島第一原発の2号機海側トレンチの凍結止水工事がはかどらない問題について、「何とか凍らせて水を抜く工程を進めたい。全くあきらめていない」と、凍結工事を継続する方針を強調した。

 

広瀬社長の発言は、同日開いた福島県議会全員協議会の場で述べたもの。

 

東電は4月以来、トレンチ(電源ケーブルなどが徹地下道)とタービン建屋の接続部分を凍結させる作業を続けている。大量の氷やドライアイス等を投入しているが、完全には凍らない状態が続いている。このため19日の原子力規制委員会会合で東電は、凍結していない部分に止水材を投入する案を新たに提案するなど、凍結工事の継続姿勢を示した。今回の社長発言も、こうした同社の凍結継続姿勢を強調するものといえる。

 

トレンチの凍結工事を断念すると、建屋全体を凍結壁で囲って地下水の建屋への流入を防ぐ計画も宙に浮く公算が大きい。そうなると、東電が廃炉作業に取り組む前に不可欠な対策とされている地下水遮断ができないことになり、廃炉作業自体も暗礁に乗り上げかねない。つまり、福島原発処理がとん挫するリスクを抱えているのだ。

 

したがって広瀬社長は「何としても」と継続姿勢を強調したわけだ。しかし、決意だけでトレンチが凍るわけではない。緻密な凍結技術と、凍結状態を長期に継続するマネジメント力等が備わっていないと、物事は進まない。東電にそうした力があるのか。疑念は払しょくされていない。