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韓国の日本産水産物輸入停止措置の撤廃求め、日本政府がWTO提訴をチラつかせて圧力。日本の放射能測定の信頼性も求められる(各紙)

2014-10-16 00:35:54

日本の水産物輸入停止継続を主張する韓国のNGOたち
日本の水産物輸入停止継続を主張する韓国のNGOたち
日本の水産物輸入停止継続を主張する韓国のNGOたち


各紙の報道によると、政府は、韓国が東京電力福島第1原発の放射能汚染水漏れを理由として、福島や、岩手、宮城など8県の水産物の輸入禁止を継続しているのは、世界貿易機関(WTO)違反の懸念があるとして、WTOへの提訴も辞さない対応で臨むという。

 

原発事故の影響を受けた福島等の日本各県からの食料品・水産物輸入については、事故後に多くの国が輸入禁止措置をとった。しかし、事故後期間が経過するにつれ、輸入停止措置から、放射性物質検査証明書の添付があれば、輸入を認める方針に切り替えが進んでいる。中国、香港などもそうだ。またシンガポールは今年5月末に、福島からの輸入停止措置の縮小を実施した。

 

こうした緩和が進む中で、韓国は福島など8県の水産物の全面輸入停止を続けているほか、個々の県を特定して、キノコ類の輸入停止、さらにその他についても放射性物質検査証明書や産地証明書の添付を求めるなど、厳しいチェック体制を続けている。日本に隣接することと、国内でも反原発運動が活発なだけに、国民の過剰な反応を起こしたくないという思いもあるようだ。

 

しかし、日本政府は、WTOにおいては環境保護等を理由とした不当な貿易制限は違反であるとの認識に立つことを理由に、韓国が水産物等についての厳しい輸入禁止を解除するまで、WTOの各会合で懸念表明を繰り返し、韓国の行動が貿易ルール上、不当であると強く訴える方針だという。

 

日本はすでに15日にスイス・ジュネーブで始まったWTOの衛生植物検疫措置に関する委員会で、韓国の措置に懸念を表明した模様。日本はこれまでも昨年10月以降、同様の懸念表明を行っており、今後、韓国の対応を見ながら、輸入停止措置が長期化する場合、「紛争処理に移る可能性も否定しない」(日本政府関係者)との立場を打ち出し、WTO提訴も視野に入れていくという。

 

ただ、国際的な同意を得るためには、汚染水の測定のより緻密な調査や、データの公開等が必要になってくる。