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原発の「地元同意」はどこまでか。関電、高浜原発で京都府との安全協定に地元同意権認めず。立地自治体との格差残る(共同)

2015-03-01 13:00:09

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takahamaricchikenn無題高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を控え、京都府は27日、関西電力と安全協定を結んだが、再稼働への地元同意権は盛り込まれなかった。

県境を越えて広域に放射性物質が拡散した福島の原発事故後、原発の「地元」をめぐる議論はくすぶり続ける。全国各地の周辺自治体は「立地並み」の扱いを求めるが依然として格差は残り、住民らの不満は強い。

 

 ▽いら立ち

「なぜ同意は立地自治体だけなのか」「国が何を基準にしているか分からない」。京都府の山田啓二知事は協定締結後、報道陣に国へのいら立ちをあらわにした。

政府は原発から半径30キロ圏内の自治体に避難計画の策定を求める一方、地元同意の範囲について「(立地道県の)知事らの判断を尊重したい」(宮沢洋一経済産業相)と判断を丸投げし続けているためだ。takahama001

 

▽紳士協定

電力会社と立地自治体が結ぶ安全協定は法的位置付けのない「紳士協定」だ。1969年に福島県と東京電力が初めて締結。71年に静岡、福井両県も締結し全国に拡大。電力会社が再稼働の前に自治体に同意を求める根拠の一つになっている。

だが福島の事故後、同様の協定締結を求める動きが周辺自治体の間に急速に広がっている。

中部電力浜岡原発(静岡県)の31キロ圏内の7市町は昨秋、再稼働は「自治体の事前合意を条件とする」との項目を盛り込んだ協定を結ぶよう求めることを決定。北陸電力志賀原発(石川県)の30キロ圏内の3市町は今月20日、再稼働への「地元同意権」を盛り込むよう求めた要請書を北陸電に提出するなど、各地で周辺自治体の権限強化に向けた動きが出ている。

 

▽わずか数百メートル

九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)から最短で数百メートルの同県唐津市。小さな湾を隔てた対岸にある原発は住民にとって身近な存在だ。だが、これほど近くても行政区画の境界が壁となり、地元同意は認められない。唐津市は2012年に協定を結んだが「佐賀県が県全体を代表して協定を結んでいるから」と押し切られ、立地の玄海町とはほど遠い内容となった。

先行する九電川内原発(鹿児島県)のケースでは同意対象が立地の鹿児島県と薩摩川内市に限られたため、高浜原発など他の原発でも同様になると懸念する声は強い。

中国電力島根原発(松江市)の半径30キロ圏に入る鳥取県の平井伸治知事は 今月10日 、再稼働に関しては周辺自治体の意見を判断に反映させるよう経産省に要望。「川内原発の進め方が先例として定着することを危惧している」と訴えた。

 

http://www.47news.jp/47topics/e/262540.php