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菅官房長官 福島第一原発の長期汚染水漏れ放置で「情報開示できず」と、お詫び。福島訪問の安倍首相は問題に触れず(各紙)

2015-03-02 16:10:50

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sugaimages 各紙の報道によると、菅義偉官房長官は2日の衆院予算委員会で、東京電力福島第一原発の排水溝から1年以上にわたって高濃度汚染水が外洋に漏出しながら、東電が公表していなかった問題で「情報開示ができなかったことは心からお詫びしたい」と述べた。


 宮沢洋一経済産業相も「漁業者ら地元関係者との信頼関係は大事で、今回の事態は大変遺憾だ」と指摘した。問題の排水溝が外洋に直接つながっていることを把握しながら、1年以上も東電の対策待ちとして事実上、経産省も放置していた形だが、「経産省としてのこれまでの対応は必ずしも十分でなく、反省している」と述べた。




 しかし、菅氏は「(港湾外の海水の)濃度は国際基準に照らして問題なく、汚染水の影響は完全にコントロールされているという安倍首相と現時点で同じ考えだ」と指摘した。




 その安倍首相は週末の一日、福島県を訪れ、双葉町・大熊町に予定されている中間貯蔵施設の建設予定地を視察した。首相は、農水相に続いて、文科相、環境相ら閣僚の「政治とカネ」問題が相次いでいることで「閣内にいようと、与党であろうと野党であろうと、しっかりと説明責任を果たしていかなければならないと述べたものの、自らが「完全にコントロールしている」と宣言した福島の長期汚染水漏れ隠蔽問題については、発言せず、説明責任も果たさなかった。


 中間貯蔵施設については地元でも依然、複雑な心境の人が多い。この点でも、首相は「除染を加速化させ、復興を確かなものにしていきたい」と述べるにとどまった。双葉町の伊沢史朗町長は「非常に迷惑な施設だが、苦渋の思いで判断した。町の復興に継続的な支援をお願いする」と要請した。




 中間貯蔵施設への汚染度の搬入は福島事故から4年の節目を踏まえて、今月13日から始まる予定。