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東京海上日動火災保険、洋上風力発電専用の「パッケージ保険」開発。4月から販売へ。工事中だけでなく、操業中のリスクも包括補償(RIEF)

2020-03-10 18:30:46

tokio1キャプチャ

 

 東京海上日動火災保険は、国内の洋上風力発電事業者向けの専用保険を開発、4月から提供する。洋上風力発電設備の工事中や操業中までに生じるリスクを切れ目なく包括的に補償する「洋上風力発電向けパッケージ保険」。昨年4月の「再エネ海域利用法(洋上新法)」の施行を受けて、国内各地でも大規模な洋上風力発電事業の開発が進んできたことを受けて保険商品を開発した。

 

 今回の保険の特徴は、国内の洋上風力発電事業者向けに、洋上風力発電設備の建設・工事期間中だけでなく、操業開始後も一定期間保険を提供するパッケージ保険。洋上風力発電設備は海上に設置されることから、従来の船舶保険をベースにし、設備の操業中の損害をカバーするほか、発電設備の工事中に生じた損害や、それによって工事が遅延し、完成が遅れたことによる損害等を包括的に補償する。

 

 補償の対象者は、 発電事業者だけでなく、同事業の関係者(タービンメーカー、プロジェクトの建設請負会社、他工事関係者等)も含める。また洋上風力発電に特有のリスクとして、海上での設備修理時の傭船料(修繕に使用する船舶の手配料)や、設備が全損となった場合の撤去費用なども支払いの対象とする。

 

 さらに、台風、地震、津波などの自然災害リスクによる損害に対しては、同社独自の計算モデルを使って、予想される最大の損害額を算出して補償額を提供する。

 

 経済産業省の「第5次エネルギー基本計画」は、2030年度の風力発電全体の導入容量を約10GWに拡大する目標を掲げている。2019年4月には「再エネ海域 利用法(洋上新法)」が施行され、洋上風力発電事業者に対しては、最大30年間の一般海域の占有が許可される枠組みが定まっている。

 

 こうした政策支援から、今後、洋上風力発電事業が増大していくとみられる。すでに、欧州では北海沖等で、大規模な洋上風力発電建設が相次いで展開されており、そうした事業向けに、設備工事中の保険(工事保険)と操業中の損害を補償する保険(操業保険)をパッケー ジ化した包括保険で提供することが一般的になっている。ただ、これまで日本では、洋上風力発電設備が実証機で数機建設されたのみで、洋上風力発電設備全体を対象とした包括的な補償の提供はされていない。

 

 東京海上日動では、再エネ事業への関心の高まりとともに、今後国内でも多くの洋上風力発電事業が展開されると見込まれ、欧州同様に、包括保険の必要性が高まるとして、今回の商品開発を行った。同社は「洋上風力発電設備のリスクに応じた適切な保険を提供することで顧客に安 心・安全を届けると共に、国内のエネルギーインフラの構築に貢献していきたい」としている。

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/