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損保ジャパン、新規石炭火力発電事業への保険引き受け・投融資原則停止を正式表明。日本の損保で初。高効率発電は個別対応等、銀行の対石炭火力融資方針とほぼ同様(RIEF)。

2020-09-23 17:39:28

sompoj0001キャプチャ

 

 SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパンは23日、新規の石炭火力発電設備の建設に対して、保険引き受けと投融資を行わないことを正式に表明した。日本の損保大手では初めて。12月1日から適用する。石炭火力は他の発電方式に比べて温室効果ガス(GHG)の排出量が多く、新規開発を抑える要請が高まっていることに配慮するとしている。ただ、一定の発電効率を有する設備は「慎重に対応」するとしている。

 

 損保ジャパンは、先に石炭火力発電の新設事業に関する保険の引き受けを12月から停止する方針が伝えられた。欧米等の保険会社では石炭火力事業の比率の高い企業の保険を引き受けない動きが広がっているが、日本でもようやく動きが出たことになる。保険引き受けと投融資停止の方針は、3メガバンク等の銀行界が公表している基本方針とほぼ同様だ。https://rief-jp.org/ct2/106598?ctid=68

 

 同社では、今回の方針の例外として、①すでに保険引き受け・投融資を行うことを表明している案件②一定以上の発電効率を有する設備は慎重に検討し対応するーーとしている。②については超々臨界圧石炭火力発電(USC)や、石炭ガス化複合発電等を想定しているとみられる。

 

 生物多様性関連では、ラ ムサール条約やUNESCO世界遺産条約に登録された自然環境の保護・保全状況の把握に努め、取引先企業がそうした案件に関連する場合は、「対話・協議を通じて取引先・投資先等へ適切な対応を促していく」としている。

 

 人権対応でも、事業活動に関連するすべてのステークホルダーの人権に配慮し、人権侵害の危険性を回避、防止するために、ステークホルダーとの対話を強化する。万一、取引先において人権への負 の影響が生じる可能性を把握した場合には、対話・協議で適切な対応を促すとし、エンゲージメントを進める姿勢を示している。

 

 同社の方針に対して、FoE Japan等の環境NGO5団体は、「SOMPOの石炭火力発電に関する保険引受方針の発表は、日本の損保業界初の取り組みであり、歓迎する」と評価している。その一方で、①対象が国内の新規石炭火力発電工事のみで、海外案件や国内外の財物保険は対象になっていない②例外規定が含まれている③ベトナムのブンアン2石炭火力発電の保険引き受けが想定される――等を指摘。「パリ協定の長期目標との整合性を確保するためには、SOMPOの方針では不十分」と批判している。https://www.kikonet.org/info/press-release/2020-09-23/SOMPO_Coal_Policy_2020

 

https://www.sompo-hd.com/~/media/hd/files/news/2020/20200923_1.pdf