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東京海上日動火災、日本電気と連携し、電力市場の需給調整取引事業者(RA)向けに、自然災害によるサービス途絶リスクのコスト軽減サービス開発へ(RIEF)

2021-05-27 17:16:37

tokio001キャプチャ

 

 東京海上日動火災保険は26日、日本電気(NEC)と連携し、蓄電池や太陽光発電設備等の分散エネルギー等を情報通信技術(ICT)を使って統合制御する「リソースアグリゲーション(RA)事業」のリスクヘッジサービスで協業すると発表した。NECが電力の需給調整取引市場に参画するリソースアグリゲーター(RA事業者)向けにクラウドサービスを提供、東京海上は同サービスを受けるRA事業者が自然災害で被る追加コストを補償するサービスを提供する。

 

 「2050年ネットゼロ」に向けて、企業の再生可能エネルギーの導入・利活用が増大している。需給調整取引市場で、そうした利活用のために企業保有の蓄電池や太陽光発電設備などの分散エネルギーリソースを束ねて需給調整をするRA事業が注目されている。

 

 RA事業者は、需要家(電気のユーザー)と分散電源等の電力リソースの活用契約を結び、リソース制御によって電力事業者(送配電事業者、小売電気事業者、発電事業者)向けに需給調整サービスを提供する。ただ、指定された需給調整ができなかった場合、RA事業者が追加コストを負担する。

 

 今回の両社協業はまず、NECがRA事業者向けに自社の保有するビッグデータ解析や予測技術、AIを活用した精度の高いエネルギーデータマネジメントを提供する「RAクラウドサービス」を開発する。そのサービスの利用RA事業者が、万一、自然災害で発電設備損壊等の不可抗力によって追加コストを払わねばならない場合に備え、両社共同で事業者に補償を提供する仕組みを開発する。

 

 両社によると、保険の機能を活用したRA事業者向けのコスト軽減サービスは業界初という。リスクヘッジ手段を提供することで、RA事業者は安心してビジネスを展開できることになる。10月からの提供開始を目指す。

 

 NECはこれまで、経済産業省の助成事業「バーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」に2016年度から参画している。VPP実証で得た知見や、IoT技術など最新のICTを活用して分散エネルギーリソースを統合制御、調整力を創出するRAクラウドサービス「NEC Energy Resource Aggregationクラウドサービス」を2019年より提供している。このサービスを元にA事業者向けのサービスを開発する。

 

 東京海上日動は今年2月、保険の開発・提供やリスクコンサルティングを通して、カーボン ニュートラルの実現や脱炭素社会への移行を目指す企業向けの支援を行う「グリーン・トランスフォーメーション(GX) タスクフォース」を設置、 分散型エネルギーシステム構築に向けた地方自治体・企業への支援を進めている。今回は本来の保険統計に関する技術を活かし、事故発生頻度の定量化等を進めて、補償スキームの構築を支援する。

 

210526_01.pdf (tokiomarine-nichido.co.jp)