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東京海上日動火災、京大防災研と連携し、ハザードマップのない中小河川を含め、河川の氾濫地点と氾濫度合いを把握する多段階リスク明示型の洪水リスク評価手法開発へ(RIEF)

2021-08-03 18:03:41

Chikumaキャプチャ

 

 東京海上日動火災保険は京都大学防災研究所等と連携し、気候変動下での洪水リスク評価手法の開発と、実用化に向 けた共同研究を始めた。京大防災研が開発する洪水モデルを用いて、ハザードマップが 作成されていない中小河川を含めて、どの地域でどの程度の氾濫が起きるかという治水安全度を、多段階で把握する手法等を開発するとしている。

 

 (写真は、2019年10月の台風19号によって氾濫した長野・千曲川)

 

 共同開発には2者のほか、企業向け水災害リスクの評価・分析・対策立案等のコンサルティングを提供する東京海上ディーアール(TdR)も参加する。

 

 開発するのは、多段階リスク明示型の洪水リスク評価手法。想定される最大の浸水だけではなく、降雨量に応じて、どの地域がどの程度氾濫するかという状況を、段階的に可視化する手法だ。現在、自治体等が公表している浸水想定区域図は、水災害時の避難確保を目的としているため、土地の相対的なリス クの違いが見えにくい。また都市型の土地利用や居住の誘導などの防災まちづくりの検討に活用が難しいという課題があるという。

 

 国土交通省は、河川の流域のあらゆる関係者(国、 自治体、企業、住民)が協働して流域全体で行う「流域治水」政策を打ち出している。この中では、流域の企業や事業者が経済活動や事業を継続する上で必要なリスク情報として、避難目的のハザードマップだけでなく、降雨の頻度に応じた様々な規模の浸水ハザード・リスク情報の周知と共有が必要とされている。

 

 京大防災研は、全国を4地域に分割し、集水面積1㎢以上の河川の水位や、流量を出力できる「全国版RRIモデル」の開発を進めている。共同研究ではこのモデルを用いて、①気候変動における洪水リスク評価手法の開発②多段階リスク明示型の洪水リスク評価手法の開発、を目指すとしている。

 

 ①は気候変動で増大する降水量などの将来気候予測データを用いて洪水リスク評価をする。②はハザードマップがない地域を含めて、各河川の氾濫可能性を踏まえた洪水リスク評価手法を多段階で把握する。

 

 東京海上日動等は「今回の研究成果に基づく洪水リスク情報を、企業や自治体などに広く提供することで、社会の災害レジリエンスの強化に努めていく」としている。 東京海上日動は現在、100 以上の自治体と防災・減災等に関する包括連携協定を結んでいる。

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