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MS&ADインシュアランスグループ、災害等の被害補償で、設備復旧時にCO2削減強化等の「より良い回復(BBB)」特約を開始。追加費用を保険金で支払い。企業の気候対応力強化を支援(RIEF)

2021-08-23 12:27:59

mitsuiキャプチャ

 

 MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険は23日、企業向けの火災保険で、被災建物等の復旧時に、新たにCO2排出量削減につながる設備等を採用した場合の追加費用を補償する「カーボン ニュートラルサポート特約(脱炭素化対策費用補償特約)」の発売を開始した。企業の気候リスク対応の強化を支援する「Build Back Better : BBB」の視点を保険商品に組み込む形だ。

 

 地球温暖化の影響か側で、自然災害の風水災や火災等で損害を受ける建物や設備を復旧する場合、これまでの火災保険では、元の状態に復旧するための費用までしか保険金は出なかった。しかし、脱炭素社会への移行を促進するためには、BBBの考え方で、回復に際して従来以上の追加費用をかけてCO2排出量の削減につながる設備等を採用する企業が増える可能性が高まる。同社ではこうした企業のBBB需要に応える必要があると判断した。

 

 対象の保険商品は、企業向けの企業財産包括保険。対象事業社は ①エネルギーの使用の合理化等に関する法律に定める第一種エネルギー管理指定工場等または第二種エネルギー管理指定工場等 ②それらに加えて、MS&ADインターリスク総研の「CO2排出量/削減量簡易算定」 サービスを受けた事業所等とする。

 

 顧客企業が使用する電力やガソリン、軽油などのエネルギーに関する使用量のデータを元に、CO2の排出係数を用い、CO2排出量を算定する。対象設備は、災害等で影響を受けた敷地内と同一敷地内で、追加費用をかけて脱炭素化対策の復旧活動等を行う場合に、その追加費用を保険金から支払う。

 

 例えば、製造設備から排出される熱エネルギーを、再利用するための機能を追加したり、バイオエタノールを燃料とした自家発電設備の導入。CO2排出量削減に寄与するボイラー設備の燃料転換。屋根の復旧時に、屋上に太陽光発電設備を新設、高断熱ガラス、外壁の高断熱化の導入、照明や動力機器に不要時の自動停止機能の追加等を想定している。

 

 支払う保険金額は、損害保険金に一定の割合を乗じた金額または支払限度額のいずれか低い額を限度として、脱炭素化対策費用を実費で補償する。例えば、損害保険金の割合は10%、30%の二種類とし、支払限度額は1億円、3億円、5億円、7億円、10億円とする。同特約で30%、10億円のどちらか低い金額を限度とする保険を選んだ場合、BBBの支払額は1000万円程度になるとしている。

https://www.ms-ins.com/news/fy2021/pdf/0823_1.pdf