東京海上日動火災保険。企業が購入した自主的カーボンクレジット(VCM)に不備がある場合の「グリーンウォッシュ批判」に対応する「クレジットレピュテーション費用保険」を開発(RIEF)
2024-07-19 15:40:39
東京海上日動火災保険は19日、企業の自主的な脱炭素取り組みで、市場から自主的なカーボンクレジット(VCM)を購入した際、クレジットの排出量削減効果の正確性・虚偽を疑われ る等のグリーンウォッシング批判につながるようなリスクが生じた場合の調査費用等を補償する「カーボンクレジット・レピュテーション費用保険」を開発したと発表した。
同社では、政府が2026年度から、温室効果ガス(GHG)排出量が一定規模以上の企業を対象にした自主的取り組みのGX リーグ等の導入が予定されていることから、VCMに対する企業ニーズが高まることが見込まれるとしている。しかし、VCMの中には、特に自然由来系を中心として、実際の排出削減効果を把握することが困難なものも少なくない。このため、仮に購入したクレジットで見込んだ削減量が実際の想定より下回る場合、クレジットを購入した企業側も、グリーンウォッシュ批判を受ける可能性がある。
そうした場合、購入した企業は、企業価値毀損につながることを防ぐため、迅速かつ的確に対策を講じる必要がある。同社が想定する「グリーンウォッシュ関連費用」は、当該クレジットの真贋を調べる調査費用、 対策を講じるために必要となる危機管理コンサルティング費用、弁護士相談費用、マスメディアやネット投稿への対応に必要な報道状況分析費用、ネット投稿削除費用、事実関係の公表・説明を目的とした危機対策本部設置や緊急会見・社告費用等、被害の収束に向けて支出した費用、等が想定されるとしている。
さらに新保険には、対象事由が発生した際に、企業がとるべき対策については、デロイトトーマツグループのコンサルティング会社等によるコンサルティング(危機管理コンサ ルティング)の提供を受けることができ、実際の対策実施まで、当該企業をサポートするとしている。仮に当該企業がトーマツの財務監査を受けている場合は、利益相反を避けるため、他のコンサル会社が担当するとしている。
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/240719_02.pdf