「スパイ社員」の出向。日本生命だけでなく、第一生命も27金融機関に派遣。出向先の顧客情報等の無断持ち出し「日常化」。両生保とも、営業優先で顧客情報を「軽んじた」ことでは同じ(各紙)
2025-10-17 00:45:56
各紙の報道によると、生保トップ企業の日本生命保険が三菱UFJ銀行に派遣していた出向者が、同社の内部情報を無断で持ち出していた問題に続き、生保第2位の第一生命保険も銀行などへの出向社員による情報の無断持ち出しが判明した出向先が、合計27社に上ることがわかった。日生の場合、その後の内部調査で7金融機関から604件の情報を無断取得したとされるが、第一生命は対象金融機関数では日生を上回る形となる。日生ではこれらの出向者を「スパイ」と呼んでいたとされるが、27社にも派遣した社員を、第一生命の内部ではどう呼んでいたのだろうか。
朝日新聞が報道した。それによると、第一生命は同紙の取材に対して「(出向先の)了承を得ずに情報を取得していたことは適切ではなく、おわび申し上げる」と答えた。27社から取得した情報の件数は、「現時点で把握できていない」としている。第一生命では、同紙が報じた「27件」の情報の無断持ち出しで終わらず、もっと多くの金融機関で不正な情報持ち出しがあった可能性も含めて「現時点で把握できていない」と答えたとしている。https://rief-jp.org/ct2/161557
同紙によると、第一生命は2024年度時点で、大手4生保では最多の約30行に社員を出向させていた。関係者によると、持ち出していた情報は、第一生命から地方銀行、メガバンクなど27金融機関に出向していた社員が、出向先で取り扱う生保商品を提供する生保各社の販売シェアや、他生保の商品情報などを無断で持ち出していたという。持ち出しは24年7月まで行われ、同年8月以降は確認されていないとしている。
出向者らは取得情報を、主に第一生命のグループ会社である第一フロンティア生命保険で共有したうえで、同社が銀行に自社商品を売り込む営業に活用してきたとしている。組織的な連携にみえる。
第一生命は24年8月の時点で、日生に先駆ける形で、乗り合い代理店への出向者が契約者に関する情報を無断で持ち出していたと発表した。実は、その時点で、すでに銀行への出向者が金融機関自身の内部情報を持ち出していたことも把握していたが、調査結果には含めず、出向先の銀行などにも伝えていなかったという。
同紙によると、こうした当時の対応について第一生命は、外部の弁護士の見解も踏まえ、出向者の相手先企業からの内部情報の持ち出しは、不正競争防止法が禁止する「営業秘密の侵害」に該当しないと判断したと説明している。その上で「本来は代理店に報告すべきだったと考え、現在、代理店に説明している」と答えたとしている。
同紙は、第一生命の出向者の行動が、営業秘密の侵害に該当しないかどうかは、代理店側の情報管理の実態にも照らして判断する必要があり、当初の調査の妥当性も問われそうだ、としている。日生の「スパイ社員」も含め、大手生保は、当たり前のように出向先の情報を無断で持ち帰るようだ。出向の「駄賃」と考えているのかもしれない。
https://digital.asahi.com/articles/AST9D14LJT9DULFA01QM.html?iref=pc_extlink

































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