東京都、国内自治体初のソーシャルボンド300億円発行へ。中小企業向けの新型コロナウイルス対策資金や特別支援学校の整備等に充当(RIEF)
2021-06-06 21:21:51
東京都は今月下旬に、国内の自治体として初めてとなるソーシャルボンドを発行する。発行額は300億円。調達資金は特別支援学校の整備、中小企業制度融資である「新型コロナウイルス感染症対応融資」の預託金等に充当する。ボンドは国際資本市場協会(ICMA)が定めるソーシャルボンド原則(SBP)に準拠する。
ボンドの期間は5年。都財務局では、2021年度に総額8500億円程度の公募債を発行する予定。このうちソーシャルボンドについては600億円程度の発行を見込んでいる。都は、今回のソーシャルボンド発行を、サステナブル・リカバリーの実現に向けた取 組の財源を確保するため、と位置付けている。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)に資するほか、新型コロナウイルス感染症からの回復支援への貢献も目指す。具体的な資金使途は、特別支援学校の整備やコロナ対策での中小企業支援に加えて、雇用・就業促進施設等の整備、不登校経験のある子どもたちに教育機会を提供するチャレンジスクールの整備等に充当する。
同ボンドのSBPへの準拠性については、格付投資情報センター(R&I)が適合性を評価するセカンドオピニオンを付与した。自治体や公的機関の活動は本来、社会に対する公的な性格を持つものが大半であるため、自治体債自体がソーシャル性を保有している。ただ、ソーシャルボンドとしての発行の場合、調達したボンドの資金使途が特定の事業に限定される仕組みであるため、都民や投資家に、都が取り組む社会的事業の「見える化」を図ることができる。
各紙の報道によると、東京都財務局主計部の吉浦宏美公債課長は、「コロナで人々の生活に大きな影響が及んでいる」として、「支援が必要な都民、事業者をしっかり支援していくためにソーシャルボンドを発行した。来年度以降も継続的な発行を視野に入れていきたい」とコメントしている。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/06/04/07.html
https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/bond/tosai_ir/sb/socialbond20210604_1.pdf