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水産大手マルハニチロ、今年度中に、わが国初の「ブルーボンド」発行を宣言。海洋汚染防止や持続可能な水産資源維持等に充当する資金調達を目指す(RIEF)

2022-08-11 13:04:21

maruhaキャプチャ

 

  水産大手のマルハニチロは、海洋汚染の防止や持続可能な水産資源に関連する事業などに資金使途を限定した「ブルーボンド」を、今年度中に発行する方向で検討に入った、と公表した。実現すると、わが国初のブルーボンド発行となる。同社は今年3月に公表した中期経営計画において、経営戦略とサステナビリティを統合し、企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指すことを宣言しており、ブルーボンド発行はこうした経営戦略に合致する資金調達と位置付けている。

 

 同社によると、現時点ではブルーボンドの発行額、償還期限等は未定。同ボンドの発行支援を行うストラクチャリングエージェントにはみずほ証券が就任する。別途、第三者評価を得る予定。

 

 ブルーボンドは2018年にセーシェル諸島が発行規模1500億㌦、期間10年のブルーボンド国債を発行して以来、各国で官民による発行が一定の規模で続いている。同ボンドは調達資金を持続可能な漁業や海洋保全等に充当することが多い。

 

 国連グローバルコンパクト(GC)が2020年11月に公表した、ブルーボンド発行の「実践ガイダンス(Practical Guidance)によると、同ボンドの適切性を評価するため、①グローバル基準への適合②ブルー・フレームワークの開発③セカンドオピニオンの確保ーー3つのステップを示している。①のグローバル基準については、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則の準用をあげている。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の複数の目標との連動も求めている。https://rief-jp.org/ct4/108328

 

 マルハニチロの経営計画は「海といのちの未来をつくるMNV 2024」として、経営戦略とサステナビリティ の統合により、すべてのステークホルダーに対して 「Maruha Nichiro Value(MNV)」を創造し、企業価値向 上と持続的成長を実現するとしている。 同経営計画の中でブルーボンド発行を位置付けている。

 

 同社は「創業以来 140 年以上にわたり、海洋資源などの自然資本の恩恵を受けてきた。グルー プを取り巻く社会環境課題が年々深刻化する中で、わが社はさらなる歴史を持続的に刻んで行くべく、「異常 気象、水産資源減少リスク」などを踏まえ、地球環境との共生に向けた取組みを加速していく」とコメントしている。

 

https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/news_center/news_topics/20220808_bluebond_jp.pdf