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福岡市の第二回グリーンボンド、自治体発行のESG債として過去最大のグレニアム(グリーン性のプレミアム)0.02%が発生。応募倍率は4.8倍の高率に(RIEF)

2023-02-04 15:33:02

fukuokashiキャプチャ

 

 福岡市は、同市として昨年に次ぐ二度目となるグリーンボンド90億円を発行した。その利回りは0.760%で、国債金利に対する上乗せ幅が0.02%縮小するグリニアム(グリーン性のプレミアム)が付き、完売したと発表した。同市によると、今回のグレニアムは、過去、国内の地方自治体が発行したESG債ではもっとも大きい金利の縮小幅になった、と説明している。

 

 同市は2040年度ネットゼロを掲げ、30年度は市域の温室効果ガス(GHG)排出量を50%削減するほか、市外での吸収量によるGHG削減貢献量をCO2換算で100万㌧をそれぞれ目標としている。こうした目標達成のための脱炭素事業へのファイナンス資金として、昨年1月に初のグリーンボンド(50億円)を発行したことに続いて、今回、2度目の同ボンドを発行した。

 

 発行したグリーンボンドは10年債。売り出し条件の決定後、 発行額90億円に対し、合計433.5億円の応募が集まり、需要倍率は4.8 倍の高倍率になった。その結果、利回りが縮小し、国債金利に対する上乗せ幅は1月発行の地方債に比べて、0.02%縮小した、としている。この0.02%はグリーンボンドの「グリーン性」を評価した「グリニアム」とされる。

 

資金使途先の一つは、市内の地下鉄の整備事業
資金使途先の一つは、市内の地下鉄の整備事業

 

 投資した投資家は67件。昨年の第一回グリーンボンドの場合は、全国の金融機関による購入が大半だったが、今回は、金融機関に加えて、福岡を中心とする九州の企業や業界団体等の割合が増えている。地元の資金が地元で回る傾向が起きているといえそうだ。

 

 調達資金は、「クリーンな輸送」として市内の地下鉄整備事業 に最も多い37%を充当するほか、「省エネルギー」分野では市有施設への省エネ性能の高い機器の導入が21%、「グリーンビルディング」として市有施設の新築、改修 事業に4%、「汚染の防止と管理」分野では下水道施設整備に3%、「自然資源・土地利用の持続可能な管理/生物多様性」として公園整備に4%、「持続可能な水資源管理」として水道事業に22%、「気候変動への適応」分野では水害対策事業に9%となっている。

https://www.city.fukuoka.lg.jp/zaisei/somushikin/shisei/fukuokashigreenbondnituite2021.html

https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/89532/1/R40127houdouhappyou.pdf?20230127182446