HOME |英プライベートエクイティ(PE)のアクティス。日本の再エネ事業に投資へ。新会社「のぞみエナジー」設立。投資額5億㌦(約675億円)を予定。第一号投資として「エルゴ」を買収(RIEF) |

英プライベートエクイティ(PE)のアクティス。日本の再エネ事業に投資へ。新会社「のぞみエナジー」設立。投資額5億㌦(約675億円)を予定。第一号投資として「エルゴ」を買収(RIEF)

2023-05-10 14:05:20

nozomi001キャプチャ

 

 プライベートエクイティー(PE)投資会社の英アクティスは8日、日本で再エネ事業を展開する「のぞみエナジー」(東京)を設立したと発表した。投資額は5億㌦(約675億円)。2027年までに、1.1GW規模の陸上風力発電事業や太陽光発電事業への投資を目指すとしている。日本への投資はアクティスが運用するエネルギー5号ファンド(投資枠60億㌦)から拠出する。のぞみエネジーは第一号投資案件として日本で風力や太陽光事業を展開するエルゴジャパンエナジー(同)を買収した。

 

 アクティスは、グローバルにインフラ投資を展開するPE。創業以来、これまでに250億㌦を調達し、150億㌦以上の投資を実施している。日本には2022年3月に進出している。新会社の「のぞみ」は、投資対象を日本のほか北アジアとしている。日本については、政府が2030年までに温室効果ガス排出量を46%削減(2013年度比)の目標を立てており、再エネ事業拡大の必要性がさらに高まるとみている。

 

 「のぞみ」は、日本での11年に及ぶ再エネ事業への取り組みを含めて再エネ事業で20年の経験を持つホセ・アントニオ・ミラン・ルアーノ氏が率いる。同氏は、ヒノデ・エナジーの社長兼CEO、及びユニバジーソーラー等を歴任している。

 

 第一号の投資案件となったエルゴは、イタリアの再エネ・IPP グローバルデベロッパーのインフラストラットーレ(代表:フランチェスコ・リンボッティ)から買収した。買収額は公表されていない。エルゴは東北と九州で風力発電事業を、関東の二カ所で太陽光発電事業を展開中だ。現在保有する再エネの発電量は合計230MW。このほか初期段階のプロジェクトのポートフォリオを保有する。エルゴのCEOだった齋藤稔氏は、のぞみの副会長兼風力事業統括に就任する。

 アクティスのエネルギー・インフラストラクチャーチームは、グローバルに発電事業及び配電事業の買収と建設に投資を行っている。これまでに70以上の再エネ事業に投資し、グローバルベースでの再エネ発電容量は累計約12GW。今後さらに12.5GWを追加することを目指している。

 アクティス在日代表の大橋純氏は「日本はチャレンジングかつ重要な脱炭素化の目標があり、『のぞみ』はそれを達成するための重要な役割の一翼を担っていくと確信している。この十分な資金力のある事業会社を通じて、この分野における新たなリーダーを創出したい」と述べている。

 のぞみエナジーのCEOに就任したルアーノは「大規模な再エネプラットフォームである『のぞみ』の設立は、日本の温室効果ガス・ネットゼロの目標達成を大きく前進させることに貢献するだろう。われわれは有能なチームを採用し、すでに魅力的な最初の投資を実行した。今後さらに多くの投資を行っていく」と強調している。

(注)本記事は、2023年5月14日12時35分に一部修正、更新しました。

https://www.act.is/sustainability/

https://www.act.is/2023/05/09/actis-launches-500m-renewables-business-in-japan-and-makes-first-acquisition/