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10月の世界の平均気温。観測史上2番目の記録。年初から10月までの平均気温は過去最高で、今年は年間を通して「1.5℃目標」を初めて突破し、「最も暑い年」となることが確実に(RIEF)

2024-11-08 15:31:19

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Annual global surface air temperature anomalies (°C) relative to 1850–1900 from 1940 to 2024. The estimate for 2024 is provisional and based on data from January to October. Data source: ERA5. Credit: Copernicus Climate Change Service /ECMWF)

 

  今年10月の世界の陸上での平均気温は15.25℃で、昨年同月に次いで、観測史上、過去2番目に高かった。EUの気候監視ネットワーク「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」が公表した。産業革命以前からの気温上昇は1.65℃でパリ協定が目指す「1.5℃目標」を上回った。今年10月までの10か月間(1月から10月)の平均気温は、1991年~2020年の平均値を0.71℃、過去最も高かった昨年の同期間よりも0.16℃高い水準で、2024年が世界の観測史上、最も気温の高い年になることは、ほぼ確実になっている。https://rief-jp.org/ct8/149410?ctid=70

 

 10月の平均気温は、直近の1991年~2020年の10月の平均値を0.80℃上回った。過去12か月間(2023年11月~2024年10月)の地球全体の平均気温は、1991年~2020年の平均を0.74℃上回り、1850年~1900年の産業革命以前の平均を1.62℃上回ったと推定されるとしている。

 

昨年と比較した年間の月ごとの平均気温の推移
昨年と比較した年間の月ごとの平均気温の推移

 

 2024年は、あと11月と12月の2カ月を残すのみだが、C3Sは今年が記録上、最も気温の高い年になることは、ほぼ確実としている。年間の平均気温では昨年が過去最高で、産業革命前からの年間気温の上昇は水準を1.48℃を上回っていた。今年はそれを上回り、産業革命前から年間を通して初めて1.5℃以上となることはほぼ確実で、おそらく「1.55℃以上」上回る、と予測している。

 

 10月の気温を地域的にみると、欧州の平均気温は10.83℃で、直近の1991年~2020年の10月の平均気温を1.23℃上回り、欧州での記録としては過去5番目に暖かい10月だった。同地で過去もっとも暑い10月は2022年で、直近の平均気温を1.92℃上回った。欧州大陸では、ほぼ全域で平均気温を上回った。

 

 北米ではカナダ北部が最も平均気温を上回ったほか、米国では中央部および西部で平均気温を大きく上回った。またアジアでは、チベット北部、日本、さらにオーストラリアでも平均を大幅に上回った。一方、グリーンランド中央部とアイスランドでは、平均を大幅に下回った。

 

高気温地域が地球全体で主となっている
高気温地域が地球全体で主となっている

 

 気温上昇の継続による異常気象の影響で10月には、欧州のイベリア半島、フランス、イタリア北部、ノルウェー、スウェーデン北部、黒海東部で平均以上の降水量を記録した。 スペインのバレンシア地方では、激しい集中豪雨により深刻な鉄砲水が発生し、200人以上の死者が出た。

 

 他の地域でも、平均よりも多い雨量は、中国南部と東部、台湾、フロリダ(米国)、オーストラリア西部の一部、ブラジル最南部で観測された。北米では、ハリケーン「ミルトン」が、その前のハリケーン「ヘリーン」の来週の2週間足らず後に、フロリダに上陸し、各地に被害をもたらした。

 

 一方で、渇水、日照りも各地で広がった。東欧の大部分と、ロシア西部、ギリシャ、トルコ西部では、降水量と土壌水分量が平均を下回った。平均より乾燥した状態になった地域は、米国の大半、オーストラリア中央部の低地、アフリカ南部とマダガスカルの大部分、アルゼンチンとチリの一部等で観測された。米国全土で続く干ばつは、過去最多の住民に影響を与えている。

 

 10月の海面水温は南緯60°~北緯60°間の平均海面水温(SST)が20.68℃となり、同月の観測史上2番目に高い値となった。10月で、過去最も高かった海面水温は昨年の20.78℃。今年はそれよりわずかに0.10℃下回っただけだった。赤道付近の太平洋東部および中部では平均気温を下回る気温が観測され、ラニーニャ現象の兆候が見られたが、太平洋全域の海面水温は多くの地域で異常に高い状態が続いた。

 

   両極では、北極海の海氷域面積が10月としては過去4番目に低い値となり、平均より19%少ない状態だった。海氷の密集度の異常値は、北極海の周辺海域すべてで平均を大幅に下回り、特にバレンツ海、カナダ多島海、スヴァールバル諸島の北側で顕著だった。

 

 一方、南極の海氷域面積は、昨年10月(-11%)に次いで2番目に少ない面積となり、平均を8%下回った。2023年から2024年にかけて観測された一連の大きな負の異常値が続いているとしている。南氷洋の海氷域面積の異常値は、7月以来、インド洋全体の平均を大幅に下回る海氷域面積が引き続き続いた。

 

 C3Sの副所長のサマンサ・バージェス(Samantha Burgess)氏は 「2024年の年初からの10カ月間では、今年が観測史上最も気温の高い年となった。年間でも、産業革命前からの気温上昇が1.5℃を上回る最初の年となることがほぼ確実だ。これは、地球の気温記録における新たなマイルストーンであり、近く開催される国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に向けて、気候対策への取り組みの意欲を高める起爆剤になるはずだ」と述べている。

https://climate.copernicus.eu/copernicus-2024-virtually-certain-be-warmest-year-and-first-year-above-15degc