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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)高橋則広理事長、女性部下との不適切疑惑。内部通報の適切処理怠る。減給処分に(各紙)

2019-10-19 21:49:02

GPIF222キャプチャ

 各紙の報道によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の高橋則広理事長が、部下の女性職員との不適切な関係等を指摘する内部通報を適切に処理しなかったとして、GPIFの経営委員会から18日付けで、減給5分の1、6カ月間の懲戒処分を受けた。

 (注)この記事以降に、11月になって当該女性からの告発状がGPIFに届き、事実関係が「逆転」しているとの報道があった。http://rief-jp.org/ct4/96789本記事はそうした展開は含めておらず、GPIFの発表と、それを受けた各紙の記事を中心にまとめている。両記事を合わせてお読みください。

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 GPIF経営委員会は、高橋氏が30代の女性職員と複数回にわたり公用車に乗って食事に行くなど、「特別な関係や公私混同を疑われかねない行為があった」と認定したという。


 報道によると、昨年12月以降、こうした点を指摘する内部通報が高橋氏の元に寄せられたが、同氏は経営委員長などに報告せず、迅速な対応を怠っていたという。この職員の情実採用の疑いもあると判断した、とも指摘されている。

 高橋氏は、1980年東大法学部卒、農林中金に入り、運用畑を歩き、2005年に債券投資部長、11年に専務理事、JA三井リース代表取締役兼社長執行役員を務めた後、2016年にGPIFの理事長に就任した。


 NHKの報道によると、GPIFは「誠に遺憾であり、深くおわび申し上げます。コンプライアンス研修を行うなど再発防止を徹底し、信頼される組織づくりに努めたい」とコメントしたという。

 

 GPIFは総資産額160兆円を抱える世界最大の公的年金。最近は投資先企業のESG評価を重視した運用を強めている。今回は組織のトップのわきの甘さと、ガバナンス構造の脆弱性が明るみに出た形だ。

 

 GPIFが定める行動規範では、「私たちは、法令等と社会規範を遵守するとともに、年金積立金の管 理・運用に携わる社会的な責任を自覚し、国民の疑惑や不信を招くこと の無いよう、高い職業倫理を保持して行動する」と宣言。「役職員等の不正行為(恐れのある場合も)を発見した時は、内部通報 制度の利用も含め、GPIFに対して迅速に報告する」としている。

 

https://www.gpif.go.jp/about/philosophy/pdf/philosophy_05.pdf

http://rief-jp.org/ct4/96789