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国連総会で、米国代表が「アジェンダ2030」「持続可能な開発目標(SDGs)」への拒絶と非難を表明。「我々は何よりもまず、(人のことより)自分自身を大切にしなければらない」(RIEF)

2025-03-07 19:00:53

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写真は、ハートニ―氏=国連資料より引用)

 

 米国は、国連が推進する「持続可能な開発目標(SDGs)」を拒絶することを国連総会の場で表明した。米国の国連代表者は「米国は『2030年持続可能な開発アジェンダ』とその中核目標となる『SDGs』を拒絶し、非難する」と述べた。その理由として、「「アジェンダ2030」および「SDGs」は、米国の主権と矛盾し、米国人の権利と利益に有害なソフトなグローバル・ガバナンスのプログラムを推進するもの」「先の米大統領選挙では、米国国民からの明確な指示が示された。われわれは何よりもまず、自分自身を大切にしなければならない。それがわれわれの道徳的および市民的義務だ」等と指摘した。

 

 4日の国連総会で、国連経済社会理事会(ECOSOC)参事官を務める米国のエドワード・ハートニー(Edward Heartney)氏が各国の決議案に対する賛否理由の表明に際して言及した。

 

 同氏は「国際平和共存デー」の決議案に対して、「米国は、世界の平和を維持し、外交的解決策を追求する努力を強く支持する」等の基本的な見解を示した後、2015年の国連サミットで採択された「アジェンダ2030」と「SDGs」に触れ、「(決議案は)中立的表現が用いられているものの、『アジェンダ2030』および『SDGs』は、米国の主権と矛盾し、米国人の権利と利益に有害なソフトなグローバル・ガバナンスのプログラムを推進するもだ」と指摘。

 

 さらに、「先の米国大統領選挙では、米国国民からの明確な指示が示された。米国政府は米国国民の利益に再び焦点を当てるべきだ。われわれは何よりもまず、自分自身を大切にしなければならない。それがわれわれの道徳的および市民的義務だ。トランプ大統領は、SDGsに浸透している『ジェンダー』や気候に関するイデオロギーについて、明確かつ時宜を得た軌道修正を行った」と述べた。

 

 トランプ大統領がパリ協定から離脱を宣言したことや、「多様性、公平性、包摂性(DEI)」業務に携わる連邦職員を解雇したこと等を評価した。そのうえで、「アジェンダ2030やSDGsのようなグローバリスト(地球主義者)の取り組みは、投票で敗北した。よって、われわれはそれらを拒絶し、非難する」した。

 

「アジェンダ2030」と「SDGs」は2015年9月の国連サミットでともに採択された。持続可能な開発のための取り組みとして「アジェンダ2030」が示され、その中核的取り組みとしてSDGsが位置付けられている。
 また提案された決議案に「平和的共存」との言及がある点についても、中国が提唱した「平和的共存の5原則」との類似性を指摘し、国連が中国の『5原則』を承認しているかのように受け取られる可能性があることを懸念する」とも述べた。

  SDGsについては、目標とする2030年まで今年で後「5年」という段階にあるが、現状は、SDGs目標の5分の1以下しか達成の見通しが立っていないという。グテレス国連事務総長は、「毎年4兆㌦規模の資金不足が起きている」と指摘し、各国の対応を求めた。特に、貧困撲滅、食糧安全保障、万人のための質の高い教育、社会保護、普遍的医療保障、エネルギーへのアクセス、デジタル移行、気候変動の影響の軽減などの、影響の大きい分野に焦点を当てて対応する必要があるとした。https://rief-jp.org/ct4/152947?ctid=

https://usun.usmission.gov/remarks-at-the-un-meeting-entitled-58th-plenary-meeting-of-the-general-assembly/