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ルクセンブルク証券取引所のグリーン取引所(LGX)、EU欧州委員会発行の過去最大の120億ユーロのグリーンボンド上場。ESG債のグローバルセンターとしての地位高める(RIEF)

2021-10-19 22:02:05

LuxSEキャプチャ

 

  ルクセンブルク証券取引所(LuSE)のグリーン取引所(LGX)は19日、欧州委員会が先日発行した過去最大の120億ユーロ(約1兆5600億円)のグリーンボンドを上場したと発表した。同委のグリーンボンドは2026年までに総額2500億ユーロ分を発行する。LGXはすでに1100本以上のグリーンボンド等のESG債を上場しており、ESG債のグローバルセンターとしての地位を高めている。

 

 欧州委のグリーンボンドは、コロナ禍からの回復パッケージであるNextGenerationEU(NGEU)の資金調達のため。LGX上場の式典には、欧州委の予算行政担当委員のJohannes Hahn氏とルクセンブルク首相のXavier Bettel氏が出席、上場成功を祝った。https://rief-jp.org/ct4/118966?ctid=71

 

 欧州委のHahn氏は「第一号のNGEUグリーンボンドは、EUがコロナ禍からのグリーンリカバリーを推進するための資金供給に資する。応募率は発行額の約11倍という記録となり、サステナブル・トランジションに向けた投資コミュニティの強い支援が示された。今回の強いスタートを継続するために、欧州のサステナブルファイナンスのハブ市場であるLGXへの上場は重要だ」と述べている。

 

 LuSEのCEOのJulie Becker氏は「欧州委は今回のグリーンボンド発行とフレームワーク設定によって、EUの力強いサステナブルファイナンスの資本市場同盟(CMU)に道を拓ものであり、欧州中の気候トランジションを加速することにつながる。今回のグリーンボンド上場は、金融をサステナブルで、包摂的で、野心的なものにする重要なステップだ」と意義を強調している。

 

 LuxSEは今回のグリーンボンドに先駆けてNGEUが発行した200億ユーロの通常のボンドをリカバリー金融商品として上場している。同商品も過去最大の単一のユーロ建て債券となった。

 

 また昨年10月に、欧州委は欧州全域の雇用と労働者を保護するための「EU SURE programme」の資金調達につなげるソーシャルボンドフレームワークを公表している。同フレームワークに基づいて、これまでに896億ユーロのソーシャルボンドを発行している。これらのソーシャルボンドもLGXに全て上場されている。https://rief-jp.org/ct4/107690

 

 LuSEのLGXは2016年に世界で最初のグリーン金融商品の上場市場として誕生。これまでにグリーンボンドのほか、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド等のESG債1100本以上(総額5700億ユーロ)を上場している。環境金融研究機構(RIEF)が実施する2016年のサステナブルファイナンス大賞で国際賞を受賞している。https://rief-jp.org/ct6/68937