「ネットゼロ保険同盟(NZIA)」からの署名企業の離脱止まらず。英再保険大手Lloyd’sも離脱。10社目。 CEOの「残留意思表明」から2日で考えが変わった(?)(RIEF)
2023-05-27 13:21:34
英再保険大手のLloyd’sは26日、ネットゼロ保険同盟(NZIA)から離脱したことを表明した。 これでNZIAからの離脱保険会社は10社目となった。Lloyd’sのCEO、John Neal氏は24日の時点でのメディアの取材に対して、Lloyd’s自体の離脱は考えていない、と語っていたが、2日で考えが変わったように受け取られそうだ。
NZIAからは日本勢では、SOMPOホールディングスが離脱した。東京海上ホールディングスと、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは現時点では残留しており、両社の動向が注目される。その他の保険大手では英AVIVA、イタリアのGENERALI等が残っている。現時点で署名企業数は21社に減った(最大時点で31社)。https://rief-jp.org/ct6/135841
Lloyd’sは離脱を公表したプレスリリースで、「(NZIAからは離脱するが)われわれは国連の『持続可能な保険原則(PSI)』、持続可能な開発目標(SDGs)を引き続き支援し、グローバル経済のトランジションを含め、持続可能なわれわれの戦略を引き続き推進することへのコミットメントは続ける」とした。
しかし、CEOのNeal氏は24日までのロイターの取材に対して、離脱企業が相次ぐ理由について「NZIAのルールが規範性が強いことと、メンバーが実施すべき要件も厳しい点を緩めることも検討すべきではないか」と指摘。Lloyd’s自身については「離脱の計画はない(no plans to exit)」としたうえで、「これ(離脱)を早める必要はない(We don’t need to precipitate this)」と答えていた。https://rief-jp.org/ct6/135812
NZIAからの署名保険会社の離脱が相次ぐ背景には、米国の共和党系州で反ESGの政策方針の影響が大きいとされる。反ESGを掲げる州等の自治体は取引先の金融機関に対して、ESG方針の是非を問う圧力を強めているとされる。保険ビジネスの場合、米保険会社による自治体事業への保険引き受けを、グローバルな保険会社が再保険で引き受ける形が多いことから、反ESGの圧力が再保険事業にも及んでいるとみられる。
https://www.lloyds.com/news-and-insights/news/lloyds-has-decided-to-withdraw-from-the-NZIA