香港の中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)は、国連支援の責任投資原則(PRI)に署名する方針を明らかにした。HKMAは先にグリーンファイナンス政策を宣言、自らの外貨準備ファンドをESG評価を踏まえた責任投資運用とすることを打ち出していた。中央銀行でPRIに署名するのはオランダ中央銀行(DNB)に次ぐ。
2019-05-13 08:00:10
香港の中央銀行に相当する香港金融管理局(HKMA)は、国連支援の責任投資原則(PRI)に署名する方針を明らかにした。HKMAは先にグリーンファイナンス政策を宣言、自らの外貨準備ファンドをESG評価を踏まえた責任投資運用とすることを打ち出していた。中央銀行でPRIに署名するのはオランダ中央銀行(DNB)に次ぐ。
HKMAは先週、香港金融市場でのグリーンファイナンスを発展させる3分野からなる政策手段を公表した。①グリーン&サステナブルバンキング②責任投資③グリーンファイナンスセンター(CGF)の設立で、今回、この②を明確化するため、PRIへの署名をする方針を明らかにした。http://rief-jp.org/ct6/89634
また、各国の中央銀行や金融監督当局で構成する「Network for Greening the Financial System (NGFS)にも参加する。NGFSは、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)の勧告に基づく気候変動対策への金融機関の対応を支援することなどの政策に取り組んでいる。
PRIは国連自体の活動ではなく、国連環境計画(UNEP)と、国連グローバルコンパクトの両国連機関がパートナーとして支援する「投資家イニシアティブ」との位置づけ。基本は民間の年金基金や保険会社などの資産保有機関、資産運用機関等が署名機関となっている。
しかし、今年3月、オランダ中央銀行(DNB)が、自らが抱える190億ユーロ(約2兆4700億円)の資産や外貨準備の運用にESG評価を加えるほか、グリーンファイナンスや責任投資等の促進を宣言する「責任投資憲章」を制定、PRIにも中銀として初めて署名した。http://rief-jp.org/ct6/88311
HKMAは総額4700億㌦(約51兆7000億円)の外貨準備ファンドを運用している。このうち、国際金融公社(IFC)が運用する「Managed Co-lending Portfolio Programme (MCPP)」の各10億㌦を二つのトランシェに投資する。
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日本外国特派員協会気付。環境金融研究機構(RIEF)藤井良広
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