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「お寺のでんき」のTERA Energy社、販売エリア拡大進む。中国、九州、関西に続き、4月から東電管内で供給開始。高い再エネ比率と明瞭な価格。「寺域コミュニティ」活動と連動(RIEF)

2020-04-09 08:30:46

Terranet1キャプチャ

 

 お寺が電力供給の中心になり、「寺域(じいき)コミュニティ」づくりを推進する新電力会社「TERA Energy」の活動が、拡大してきた。昨年6月には浄土真宗の僧侶、竹本了吾さんら4人の僧侶が中心になって会社を設立、まず中国地方での電力供給を始めたが、その後、今年1月からは関西で、3月には九州で、そして4月からは東京電力管内でも供給が始まった。

 

 TERA Energyは「生きづらさを生む社会の仕組みを少しでも変えたい」「温かなつながりを育み、世の中を照らせる会社になりたい」といった思いで、竹本さんたち僧侶が立ち上げた。http://rief-jp.org/ct10/85736?ctid=0

 

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 竹本さんたちが目指す「寺域コミュニティ」の復活は、地域にの資源である再生可能エネルギーの普及を進めるとともに、電力や熱などのエネルギーコストの地域外への流出を食い止め、地域内経済循環の創出や地域課題の解決に寄与することを目指すものだ。その中心にお寺がなることで、お寺自身の地域での復活と、コミュニティの再生を描いている。

 

 TERA Energyの電力は①リーズナブルかつ明瞭な電気代②高い再エネ比率③寄付つきーーという特徴がある。まず、①は日本卸電力取引所の市場価格に連動して算出する電気の原価に、手数料、電気の託送料を上乗せして算出する市場連動型(<電気の原価 + 手数料> × 使用量 + 託送料)で、何をどれだけ支払っているのかが分かりやすい。また手数料を低くすることで電気料金もリーズナブルな価格に抑えている。

 

Terra3キャプチャ

 

 ②の再エネ比率(FIT電気含む計画値)は70%以上。将来は、自社での再エネ電源開発を進め、再エネ100%を目指している。③は電力小売事業による収益を、お寺を通じた地域コミュニティに還元し、様々な地域の課題解決に貢献する仕組みを取り入れている点だ。お寺を通じて檀家等の一般世帯と契約した場合、電力消費量・電力料金の2.5%をお寺に寄付してもらう。この資金をお寺が寺域での多様な課題解決に活用する。

 

 お寺と直接の関係性のない一般家庭でも契約は可能。その場合は、社会活動・環境活動を行うNPO(NPO法人京都自死・自殺相談センター、認定NPO法人気候ネットワーク等)に寄付することができる。電気の切り替えの申し込みはWEB(https://tera-energy.com/)からもできる。

 

  ネットワークの軸になる地域のお寺は、浄土真宗に限らず、宗派を超えた寺院と連携している。それぞれの檀家と、檀家以外の地域の人々との間を、電気を販売するお寺が、新たに結びつける役割も目指している。お寺の縁と、電気の縁とで、寺域コミュニティの活性化が進むことを期待したい。

https://tera-energy.com/

https://www.kikonet.org/kiko-blog/2020-04-03/3917