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第8回サステナブルファイナンス大賞授賞式開く。基調講演で、国連環境計画金融イニシアティブ特別顧問の末吉竹二郎氏が「GX競争は究極のサバイバルゲーム」と指摘(RIEF)

2023-01-19 16:09:41

RIEF001キャプチャ

 

 一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)は18日、日本プレスセンターの日本記者クラブで、第8回サステナブルファイナンス大賞の授賞式を開催した。大賞に選出された富士フイルムホールディングスをはじめ、全体で12件13企業・団体の代表が参加、表彰状を授与した。各授賞企業・団体からは授賞内容についての報告・スピーチをした。

 

 今回の授賞式は3年ぶりの対面開催とする一方で、コロナ対策でのオンライン配信も併用した。式典では冒頭、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEPI)特別顧問の末吉竹二郎氏が「GX競争時代:日本の金融の在り方を考える」とのテーマで基調講演があった。

 

基調講演をした末吉竹二郎氏
基調講演をした末吉竹二郎氏

 

 同氏は「GX競争には『表の顔』と『裏の顔』がある」と指摘、前者の顔として「気候変動から人類と地球を救う」一方で、後者の顔としては「21世紀の覇者を選ぶビジネス戦争で、GX競争は究極のサバイバルゲームだ」等と指摘した。そのうえで、「GX競争を仕切るのはEUのタクソノミーや国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)等のグローバルスタンダードのルール化であり、金融にも世界標準が求められる」として、日本の金融を世界レベルに引き上げることがGX競争を勝ち抜く道だと展望した。

 

 授賞式では、サステナブルファイナンス大賞審査員会議を代表して佐藤泉弁護士から、各授賞企業の代表者に対して、表彰状が授与された。授賞企業からは、大賞の富士フイルムホールディングスの執行役員経理部長、吉沢勝氏をはじめ、各社・各団体の担当者等が出席した。国際賞を授賞したフィリピン共和国からはMylene Garcia-Albano駐日大使が出席した。

 

サステナブルファイナンス大賞に輝いた富士フイルムホールディングスの授賞者等
サステナブルファイナンス大賞に輝いた富士フイルムホールディングスの授賞者等

 

 大賞を主宰する環境金融研究機構の代表理事、藤井良広氏は「『グリーンウォッシュ』、『サステナブルウォッシュ』への懸念が、わが国でも指摘される中、今回の授賞企業・団体はいずれも『本物の取り組み』を展開しているところを選べたと思っている。全体の傾向として、サステナブルな事業をビジネス戦略に取り込む資金調達側の企業・団体の取り組みに積極性と新鮮味があったほか、金融側にも最新技術や最新の取り組みに挑戦する動きが広がっている手応えがあった」と指摘している。

 

 (環境金融研究機構では、追って、第8回サステナブルファイナンス大賞の授賞企業に対する授賞内容の各社インタビュー記事を掲載する予定です)。

https://rief-jp.org/ct7/131185